研究課題/領域番号 |
12470469
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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研究分担者 |
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00193152)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
遠藤 英昭 (遠藤 英明) 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 樹状細胞 / Porphyromonas gingivalis / LPS / 線毛 / CD14 / CD16 / CD40 / P. ginigivalis / 認識機構 / 炎症性サイトカイン産生 |
研究概要 |
歯肉に存在するLangerhans cellあるいはinterstitial dendritic cellなどの樹状細胞(Dendritic Cell ; DC)は、同細菌あるいは菌体抗原の侵入に際して、貧食細胞によるprocessingを経た抗原を獲得し、さらにナイーブあるいはメモリーT細胞に抗原提示することにより、歯周病原性細菌に対する特異免疫応答の開始に重要な役割を果たすと考えられる。歯周病原性細菌およびその菌体物質がDCのmaturationにどのような作用を及ぼすのか、さらにはDCの同菌体抗原提示によりどのようなタイプのT細胞primingが生じるのかということについては、ほとんど研究が行われていないのが現状であった。本研究の遂行により、まず典型的なLPSであるE. coli由来LPS刺激とは異なり、P. gingivalis刺激ではCD14^-のimmature DCの細胞表面に再度CD14のみならずCD16発現が生じ、CD14^+CD16^+CDla^+の非常にユニークなフェノタイプのDCが誘導されることが明らかとなった。またこれらの刺激によりDC細胞表面に誘導されたCD40は、歯肉線維芽細胞のCD40が分解を受ける条件においても、炎症局所への浸潤細胞である好中球由来のHuman Leukocyte Elastase (HLE)による分解を受けず、炎症局所においても強く免疫応答を制御していることも示唆された。このphenotypeを持つDCは、HIV感染においてみられることがすでに報告されているが、DCのmaturationを誘導するといわれているLPSなどの菌体成分で誘導されるという知見は世界で初めてのものであり、P. gingivalisの免疫系からの回避機構として作用することにより、同菌感染によって生じる慢性炎症の成立に関与するものなのかもしれない。これらの知見は、将来、歯周病原性細菌感染に対して防御的に働くようなDCをターゲットとした歯周病ワクチンの開発に繋がることを期待できるものと考える。
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