研究概要 |
1.MM-1 c-Mycの転写活性化/抑制化ドメインに結合し、c-Myc転写能を抑制する新規タンパク質MM-1は、白血病,リンパ腫、舌癌由来の培養癌細胞、癌患者組織においては157番目のアラニンがアルギニンに高頻度で変異しており、MM-1によるc-Mycの転写,癌化,細胞増殖能の抑制がこの変異により解除されることから、MM-1は新規癌抑制遺伝子と考えられる.更にもMM-1は転写コリプレッサーTIF1βと結合を介しhistone deacetylase(HDAC)をc-Mycにリクルートする新規c-Myc転写抑制経路を形成した.このMM-1-TIF1βの解除細胞は高いc-Myc転写能と癌化能を有していた.また,MM-1はユビキチンを介さないc-Myc分解を促進し、MM-1アルギニン変異は分解促進機能を失っていた.更に,MM-1はヒト染色体12番由来のスプライシングの違いによるMM-1α,β,δ,γとN末13アミノ酸が14番染色体由来の融合MM-1が存在し,細胞内の局在が異なっていた.以上より,MM-1はc-Mycの転写抑制と分解の両面を司る因子であることが明らかとなった. 2.AMY-1 AMY-1は細胞骨格重合促進因子WAVEと結合し細胞骨格制御に、また、A-kinaseタンパク質であるAKAP84と結合することで精子形成に関与する重要な因子であることが明らかとなった. 3.MSSP MSSPはc-Mycと協調して転写、複製、癌化、アポトーシス誘導などを行なうが,MSSP欠損マウスは胎生致死を示し発生過程での重要性が明らかとなった.
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