研究課題/領域番号 |
12470500
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森山 芳則 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10150658)
|
研究分担者 |
大塚 正人 岡山大学, 薬学部, 助手 (30243489)
坪井 誠二 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50172052)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | メラトニン / 概日リズム / 松果体 / グルタミン酸 / 受容体 / アスパラギン酸 / serotonin-N acetyltransferase (NAT) / セロトニン / マイクロベジクル / 松果体細胞 / 小胞型グルタミン酸輸送体 / N-actyltranferase / 結晶化 / Dアスパラギン酸 / シナプス小胞 |
研究概要 |
松果体は概日リズム変換器である。視公叉上核からの生物時計シグナルをメラトニンという液性情報に変換し、体内に行き渡らせている。メラトニンの合成は概日リズムと共に振動しており、その合成・分泌と分解は厳密に制御されている。その制御の中心となるのはメラトニン合成の律速酵素serotonin-N acetyltransferase (NAT)である。これまで、交感神経入力によりNAT合成が亢進する調節機構がよく研究されていた。私たちは本研究においてNAT活性の調節機構を解析し、以下の2つの成果を得た。すなわち、(1)グルタミン酸を伝達物質とする新しいNAT制御系が存在することを見出した。(2)NAT自身が内在するレドックス制御系を見出した。研究計画をほぼ完全に遂行できた。以下にその概要を記す。 [I]グルタミン酸シグナル伝達系の全貌解析 松果体細胞はメラトニンの内分泌細胞としての属性の他にグルタミン酸作動性細胞としての属性も備えている。 I-I 我々は、松果体細胞は発現しているイオン型グルタミン酸受容体・代謝型グルタミン酸受容体を全て同定し、その機能を明らかにした。これらの受容体はメラトニン合成抑制の入力系として機能している。 I-II 松果体細胞がグルタミン酸を放出する機構の概要を解明した。グルタミン酸はsynaptic-like microvesicle (SLMVs)の中にvesicular glutamate transporter 1 and 2を介して蓄積された後開口放出される。SLMVsの内部pHや構成因子を明らかにした。 I-III 松果体細胞がグルタミン酸を再吸収する機構を解明した。 [II]NATが内在するレドックス制御系の全貌解明 NATは転写レベルで活性が調節されていると考えられている。酵素レベルでの調節機構はよくわかっていない。我々はNATのCys61とCys177間のSS結合がスイッチとなり活性が調節されていることを見出した。この機構がNAT調節において中心的な役割を果たしていることを明らかにしつつある。
|