配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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研究概要 |
生体分子を加水分解する酵素と同様の機能をもつ低分子化合物は,生体機能の人工的な制御や,外来性タンパク質の除去などと関連して,現在世界的に注目され,早期開発が期待されている機能性分子の一つである。本研究では,生理条件下で水酸化物イオンを捕捉し,強い求核剤となる部分構造と,弱酸性分子(チオールやフェノールなど)をアニオンとして強く捕捉する部分構造を併せもつ分子を開発し,特定のアミノ酸や核酸分子を認識し,かつその近傍の化学結合を加水分解する人工加水分解酵素を開発することを目的とした。それらのデザイン・合成に必要な反応場(酵素活性中心類似の環境)の性質を調べる目的で亜鉛のルイス酸としての性質を検討できる数種類の亜鉛酵素モデルを合成した。新らたに合成した人工亜鉛酵素モデルの溶液内構造を,pH滴定法,NMR測定などにより調べた。それらの水溶液中での安定性,加水分解触媒としての活性や基質であるペプチドや核酸分子との相互作用をNMR測定により検討した。その結果,生理条件下で特定の核酸塩基配列を認識し,核酸分子の二重らせん構造を解離させることのできる新規低分子亜鉛化合物を作り出すことに成功し,効率的な遺伝子多形分析システムを開発した。さらに,亜鉛酵素モデルとチオールやリン酸化物質との錯体の安定性についても検討を行った。実用的な生体分子加水分解触媒はまだ得られていないが,本研究成果により新規の人工機能性分子(遺伝子情報制御分子,自己集積型の水溶性超分子,フォスフォプロテオーム解析試薬など)を開発することができた。
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