配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
新しい作用機構によるHIVプロテアーゼ阻害剤の導入はエイズの多剤併用療法における新たな展開をもたらしているが,薬剤の投与量,経済性,副作用,耐性など問題点が山積みである. このような問題点を克服するため,分子認識解析研究により得られたデータに基づいて,理想的な基質遷移状態ミミックであるヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアを含む小分子型のHIVプロテアーゼ阻害剤のデザインと合成を行った.小分子型かつ高活性の阻害剤はコストの点で有利であり,また耐性発現の問題においても,分子認識の考察に基づき,変異酵素との相互作用部位が少ない点から有利であると思われる. さらに,逆転写酵素阻害剤とのハイブリッド型抗エイズ薬にすることにより細胞膜透過性に優れ,相乗効果をもつ本格的な第三世代の耐性克服エイズ治療薬のデザインと合成をめざした.その結果,ジペプチドKNI-727と逆転写酵素阻害剤AZTとを自発的切断可能なリンカーで結合させたダブルドラッグが高い抗HIV活性を示すことを見いだした.また,分子内アシル転位反応を利用した水溶性プロドラッグを合成し,プロドラッグから活性分子の遊離時間を目的に応じて操作することに成功した. 新しいデザインの点では,L-テトラヒドロフラニルグリシンを含む阻害剤を合成し,S2位で酵素と好都合な相互作用をしていることを示した.また,P1-P1'位にヒドロキシメチルカルボニルヒドラジドを含む偽対称性阻害剤が高いHIVプロテアーゼ阻害活性を有することを示した. 一方,ジペプチド耐性克服型HIVプロテアーゼ阻害剤KNI-727およびKNI-764は,マラリア原虫の増殖に重要な役割をはたすプラスメプシンIIも選択的に阻害することを示した.このプラスメプシンIIもアスパラギン酸プロテアーゼであり,我々の阻害剤デザインの方法論が,アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤デザインに広く応用できることを示した.
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