研究課題/領域番号 |
12470518
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
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研究分担者 |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00305111)
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | Citrin / SLC25A13 / 成人発症II型シトルリン血症 / Aspartate Glutamate Carrier / Malate Aspartate Shuttle / Argininosuccinate Synthetase / 新生児肝炎 / 肝内胆汁うっ滞性黄疸 / Aspartate glutamate carrier / 肝内胆汁うつ滞症 / Argininosuccinate synthetase / Urea cycle / citrin / aspartate glutamate carrier / II型シトルリン血症 / 新生児肝内胆汁うっ滞症 / argininosuccinate synthetase / 高アンモニア血症 / urea cycle / 遺伝子診断 |
研究概要 |
Argininosuccinate synthetase (ASS)蛋白が肝臓特異的に低下する成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)は、予後不良の難病である。本研究の目的は、CTLN2の責任遺伝子として発見した新規遺伝子SLC25A13産物citrinの機能と役割を明らかにし、citrin欠損症の発症機構を解明し、診断法を確立し、予防・治療法の開発に役立てることにある。交付期間内の研究成果を以下に列挙する。 (1)SLC25A13遺伝子発見と変異同定は、CTLN2の診断と病態解析を容易にしただけでなく、他の原因不明疾患群(ある種の乳児性肝炎など:NICCDと命名)の病因解明をも可能にし、CTLN2の新生児期症状の発見に繋がり、citrin欠損症という1つの疾患単位として捉えることができた。 (2)13種の新規変異を同定し、5種の既知変異を含む頻度の高い9種に対して、GeneScan/SNaPshot法を用いたマルチ診断法を確立し、CTLN2症例129例とNICCD症例108例を診断した。外国人症例の変異を同定し、citrin欠損症が日本特有の疾患でないことを見いだした。一方、本邦において69人に1人の割合で保因者を認め、変異ホモ接合体が高頻度(1/19,000)に存在することを明らかにした.東アジア諸国での保因者頻度も日本と同程度高い(1/50〜1/100)結果が得られた。 (3)Citrin(主に肝臓で発現)は、そのisoformであるaralar(脳と筋肉に発現)とともに、Ca^<2+>結合能を持ち、ミトコンドリア内膜に局在するaspartate glutamate carrierであり、尿素合成やmalate aspartate shuttleなど代謝の要で機能することを明らかにした。 (4)NICCD症状が1歳前後で消失することから、適応・代償機構(NADH shuttle系)が作動し、見かけ上健康な期間(10数年〜数10年)を経て、代償機構の破綻など何らかの障害をきたした場合に、重篤なCTLN2を発症すると考えられる。 (5)作成したcitrin欠損マウスは、ヒト疾患モデルとしての病態をまだ示していない。ヒトとマウスの間で、肝臓における代謝システムに違いがあるのかどうか、今後の課題である。
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