研究課題/領域番号 |
12470524
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / グルタミン酸 / 神経細胞死 / 神経保護因子 / ウシ胎仔血清 / 黒質切片 / エストラジオール / ビタミンD / ステロイド / 線条体条件培地 / 胎仔血性 / パーキンソン病 |
研究概要 |
グルタミン酸および活性酸素により惹起されるニューロン死を制御する内在性保護因子の作用の解明を目的として、in vitroの初代培養ニューロン系を用いて以下の3項目の研究を行った。1)ウシ胎仔血清(FCS)のエーテル抽出物中から単離された非蛋白性の神経保護活性物質の化学構造を決定し、推定構造に基づいて合成した化合物の薬理作用を検討した。単離した化合物はスルホキシド基をもち、分子式がC_<21>H_<34>O_4Sであることが明らかになった。NMR解析を行った結果、本化合物の化学構造は15-hydroxy-17-methylsulfinylatisan-19-oic acidであること推定された。本化合物は基本骨格に環状ジテルペンテルペンを有する新規化合物であり、血清中から発見された神経保護活性物質という由来からセロフェンド酸(serofendic acd)と命名した。推定構造をもとに合成した化合物もグルタミン酸およびNOドナーにより誘発される神経毒性を強力に抑制した。2)新生仔ラットから摘出した黒質切片を培養し、ドパミンニューロン生存に対する神経活動の役割について、グルタミン酸受容体拮抗薬を用いて検討した結果、グルタミン酸受容体刺激による脱分極に伴って流入するカルシウムによりドパミンニューロンの生存が促進され、その機序の一つとしてcAMP系が関与することが示唆された。3)ビタミンD、エストラジオール、ニューロトロフィンなどの内在性物質の神経保護作用について検討した。活性型ビタミンDである1α,25-(OH)2D3、女性ホルモンのエストラジオール、神経成長因子などのニューロトロフィン類はグルタミン酸神経毒性を濃度依存的に抑制するとともに、カルシウムイオノフォアおよび活性酸素により誘発される神経毒性も抑制し、さらに、細胞内での活性酸素の生成も抑制した。これらの知見から、これらの内在性神経保護活性物質は活性酸素の生成を抑制することによりグルタミン酸神経毒性に対する保護作用を発現し、種々の神経疾患時のラジカルストレスかでのニューロンの生存を促進する役割を果たすことが示唆された。
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