配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
本研究は,走運動が成就されていない幼児を対象に移動運動を撮影し,2台のビデオカメラを設置してDLT法を用いて3次元で記録(60fps)してきた男女合わせて12名の幼児の移動運動の発達を縦断的に追跡し,その内4名は小学校に就学するまで約5年間にわたり,走運動の発達をとらえた.おもな結果は以下のようにまとめられる. 1.歩行から走運動出現までの発達過程は歩行,リープ動作^<1)>および走運動の3つの移動形態に分けることができた.その過程において平均速度は1.61-1.80m/sへ増大し,ストライド,ストライドの身長比およびピッチも40.6-43.0cm,0.489-0.515,4.14-4.21Hzへそれぞれ増大した.移動運動の発達は歩行からリープを経て走運動が出現する順序であった.リープ動作の速度,ストライドおよびストライドの身長比は走運動に近いものであった.また,リープ動作には優位脚^<2)>があり,側性がみられることが示唆された.こうした優位脚のキックによるリープ動作を繰り返しながら次第に走運動が可能となると推察された.すなわち,リープ動作は歩行から走運動への移行過程における移動運動の発達の中で1つの主要なプロセスとして考えられた. 2.走り始めてから6歳までの間で走運動の発達は,(1)走運動成就以降において側性に依存した発達がみられたこと,(2)足先の外輪や膝の外転の動きが減少したこと,(3)膝関節を中心とした上下方向の屈曲伸展動作から次第に脚を前後に動かすような走動作へ変容したことが示唆された. 本研究の結果は,幼児期における運動発達の特徴を理解する上で有益な示唆が得られるものであった. ^<1)>リープ動作:1歩において非支持局面がみられる移動運動 ^<2)>優位脚:非支持局面の出現頻度の多い脚
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