研究課題/領域番号 |
12480018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓助 信州大学, 理学部, 教授 (60145662)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
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キーワード | 中部山岳地域 / 降雪 / 積雪 / 融雪 / 森林源流域 / 湿性沈着物 / 黄砂 / 大気汚染物質 / 実験流域 / 乾性沈着物 |
研究概要 |
中部山岳地域の飛騨山脈、八ヶ岳山塊、木曽山脈、赤石山脈において、冬季に降雪採取および積雪の全層採取を行った。その結果、本地域では降雪中に含まれる化学物質中の海塩を起源とする割合は極めて少なく、黄砂が観測される際には降雪中のCa^<2+>、SO_4^<2->等の成分が大きくなることが明らかとなった。また、南岸低気圧の通過の際にもたらされる本地域での降雪中のNO_3^-/nssSO_4^<2->比は1を超え、関西や中京地域からの人為起源の大気汚染物質が降雪に取り込まれて沈着していることが考えられる。 また、天竜川支流小黒川の森林源流域において水文調査を実施した。観測項目は河川流量、河川水温、気温、降水量であり、河川水と降水を定期的に採取し、その化学分析を行った。河川流出高の増減に伴う河川水質の変動が認められ、HCO_3^-濃度とCa^<2+>濃度の月平均値は流出高が大きくなると増加し、NO_3^-濃度の月平均値は流出高が大きくなると減少した。陰イオンでは冬季に比べて夏季にHCO_3^-が多く生成されるために、河川水中のイオン組成が季節の推移とともに大きく変化していた。低水時には蒸発散による流出高の日変動がみられた。その際には、河川の流出高は早朝に極大、昼に極小を持つ日変動を繰り返し、河川水中のイオン濃度は、流出高が増加したときに濃度が高くなる変化を示した。融雪による流出高の増加時には、NO_3^-濃度は初期には高くなったが、後半は低くなる変化を示した。また、流域内への化学物質の沈着量と流域からの流去量を算出し、対象流域における物質収支を求めた結果、陽イオンではすべてのイオンで流去量の方が沈着量を上回った。K^+は植物からの起源が考えられ、Na^+、Mg^<2+>、Ca^<2+>は、土壌や岩石を起源として流出していると考えられた。一方、陰イオンでは、NO_3^-は年間を通して沈着量の方が流去量よりも多く、Clの物質収支はほぼ釣り合っていた。
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