研究課題/領域番号 |
12480054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
下田 弘之 聖徳大学, 人文学部, 教授 (00017360)
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研究分担者 |
志賀 淑子 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (90235515)
福沢 周亮 聖徳大学, 人文学部, 教授 (30008700)
吉島 茂 聖徳大学, 人文学部, 教授 (50011309)
長谷川 弘基 聖徳大学, 人文学部, 講師 (80306456)
菅 英昭 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (60234150)
古谷 三郎 聖徳大学, 人文学部, 教授 (20238695)
岡 秀夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90091389)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 複数言語学習plurilinguism / 教員養成teacher training / communication / Framework / Moduli didattici / cross curriculum / アメリカ構造主義American structuralism / 教授法methodlogy / 態度Attitude / 正書法orthography / 教科書textbook / ゲーム / Way Stage / 早期外国語教育 / 教員養成 / バイリングァル教育 / 母語 / 思考言語 / 態度 / 異文化理解 / 教科書分析 |
研究概要 |
14年度に開催したシンポジウムで佐野、金森は韓国の最近の英語教育の実態、教員養成の新しい制度について分析報告し、日本における英語教育にも参考になる点が多いことを指摘した。ただ韓国における教員養成は言語能力を重視した教授法に力点が置かれているのに対し、ヨーロッパの外国語教育は言語面を重視しながらも異文化コミュニケーション能力の育成を狙うものであるという差を確認した。また韓国では大統領の強力な指導のもとに英語教育改革が行われたのに対し、ヨーロッパでの動きはEU諸国の協調の中から生まれ、永い時間をかけて出てきたものである点も注目された。2001年に公刊された指導書Common European Framework for Reference of Languages : Learning, Teaching and Assesment(Council of Europe)はその成果である。ヨーロッパからの発表者がすべてこのFrameworkを下敷きにしていること、またこの指導書が特定の言語を対象にしていないことからも、このFrameworkの研究分析が今後の研究の重要な一部を占めると言える。イタリア小学校の調査をし、授業担当の方法Moduli Didattici(3人が2クラスの担任となり、教科はそれぞれの特徴を生かして分担)の実態と問題点を探った。この方法は外国語教育には従来適応されていなかったが、小学校向けの外国語教員の不足を考えると有力な対応策と考えられる。訪れた小学校では、全日制だったためクラスがさらに2つに分割されModuli Didatticiは取られていなかったから、今後この方法を採用している学校を探し、実態を調査する必要がある。 日本国内では、聖徳大学付属小学校の英語授業、また加藤学園のImmersion教育、文京区立誠之小学校を訪問し、またテレビの「エイゴリアン」などの放送も分析した。共通する問題は構造主義的言語観に基づく構成がcommunication(会話)の衣を着ているだけとの感が強く、本来の意味でcommunicativeなアプローチにはまだかなりの距離があると言える。この問題はヨーロッパの場合でも完全には脱却出来ていない。また、crosscurriculumの問題も大きく残っていると言える。これは技術的な難しさに加え、communicationということ自体の理解不足に原因がある、あるいはアメリカの構造主義の影響が強く残っているためと考えられ、今後の教員養成の、教授法上の大きな課題をなすと判断できる。
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