配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
関連性の尺度としてのKullback-Leibler情報量の有効性を確かめる目的で開始した本研究は,3年間にさまざまな方向に発展した.一つは,モデル選択の基準としてのKullback-Leibler情報量の有効性であり,ブートストラップ法による直接推定が,二項分布や多項分布などの離散分布の場合にはきわめて有効であることが確かめられた.さらにKullback-Leibler情報量にもとづくモデル選択の実際問題への応用として,さまざまな金利時系列モデルの選択の研究をすすめた結果,伝統的な回帰型のモデルだけでなく,ニューラルネットワーク型のモデルも対象として考慮する必要性があることが判明し,確率的ニューラルネットワークモデルの学習アルゴリズムの開発とその収束性の証明を行った.実際このアルゴリズムによって学習させると,すくなくともTOPIXの上昇,下降の予測に関しては他のどんなモデルやネットワークよりもよい精度の60%前後を確保できることが判明した.また,Kullback-Leibler情報量が,さまざまなデータ解析をおこなう際の指針としてどれだけ有効かを確かめるための研究として,衛星搭載レーダの受信波と瞬時観測為替レートの解析とモデル構築もおこなった.衛星搭載レーダに関してはこれまでのパルス圧縮法よりも数十倍の精度をもつ処理方法を発見し,瞬時観測為替レートに関してはクラスターのあるマークつき点過程としてのモデル構築をおこなった.さらに,グラフィカルモデルにおける情報の流れという観点から,条件付き独立性の研究も進めた.その結果,条件付き独立性はかなり強い条件であり,正規分布以外とその単調変換という形以外には実際には実現しにくい条件であることも判明した.
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