研究概要 |
従来,ポリゴンで構成されていたCG(コンピュータグラフィックス)モデルを内部の詰まったソリッドモデルで構成し,このソリッドモデルに対して,変形,切開などの操作を可能とした.また,ソリッドモデルの高速な表示アルゴリズムを考案し,実験により実用性を評価した.実際のシステムにソリッドモデルを適用するために,CT画像からのソリッドモデルへの変換方式を提案した.さらに,平成12年度に開発されたボリュームグラフィックスボードを購入し,汎用のPCにおいても,高機能ワークステーションと同程度のスピードでの描画性能を実現した.仮想的3次元空間中のオブジェクトに対する操作を実現するためには,メスと頭部表皮との交差判定や内部判定(以下,干渉チェックと呼ぶ)を高速に実現する必要がある.このためには,空間中のオブジェクトを効率的に管理し,距離に基づく検索を高速・確実に実行しなければならない.空間オブジェクトの管理と検索,さらにオブジェクトの時間的な変化の効率的管理方式として,PMD木というデータ構造を開発し,その性能評価を実施した.PMD木を用いることで,膨大な空間オブジェクトの時間的な変化や位置変化の履歴管理が可能であることを示した.CT画像や実写画像から変形可能な3次元モデルの作成方式に関する研究では,複数の実写画像と3次元地図から仮想3次元空間を構築し,その中をウォークスルーできるシステムの実現方式を提案した[8].さらに,オブジェクトをあらゆる方向から撮影することで,写真品質での変形可能な仮想オブジェクトを構築する方式を提案した.位置構造をもつグラフデータの表現と検索方式,パターンマッチシグ方式に関する研究を実施した.
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