配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2001年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
本研究では,「認知科学を対象分野として,大学での質の高い学習を促進するための協調学習支援環境を実践的に実現した.ここで開発したカリキュラムの基本形は,課題を中心に学習者が自分で調べたことを互いに発表し合いクラスで総合的に一つの課題を解決するような協調的な学習である.協調学習支援システムとしては,教材を再吟味するための掲示板システム,自分から質問したり答えたりすることによって学ぶ対話型ヘルプシステム,学生同士考えていることや調べて分かったことを共有しそれらを統合的に考えるための総合的なノートシステムを開発し,実際大学の授業で使用してその効果を検証した. これまで,「認知科学入門」「認知科学概論」など認知科学の基礎的な概念理解を目指す授業群(担当:三宅なほみ,白水始)と研究法,研究デザインの実践的な基礎力を養う授業群(担当:三宅なほみ,三宅芳雄,白水始)との連係を強化し,ノート共有システムの活用に加えてカード配置による考え方の軌跡外化とその共有吟味など内容把握のための支援方法を考案し実践評価してきた.その結果,年々学生の学習活動は全体的に活発化し,授業中だけでなく授業以外の時間でもそれらシステムを使用し活動する場面が多く見られるようになった.また最終提出レポートの質も向上することが確かめられた. ネット上に投稿される学生の意見や教師側からの返答,ネット上から入手可能な教材などを統合的に管理し,学生が必要とする情報を必要に応じて提供する自律型教材開発システム(担当:土屋孝文),ネットワーク上から入手した情報やアイディアの記録を相互参照,可能な形で統合的に記録するシステム(担当:三宅芳雄)などについても年度ごとに改良し実践して成果を挙げた. 総合的な評価として,このような協調型の学習は継続して実践することによって学生同士が互いに学びあう文化が形成され効果をあげることが確かめられた.
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