研究課題/領域番号 |
12480121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河合 良信 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10038565)
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研究分担者 |
羽鳥 尹承 神奈川大学, 理学部, 教授 (80023729)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | イオンビーム・プラズマ系 / イオン音波不安定性 / 間欠性カオス / ダブルプラズマ / カオス制御 / ヒステリシス / ドリフト波 / フルート波 / 相関次元 / バースト信号 / ドリフト速度 / 埋め込み法 |
研究概要 |
現在、プラズマ中のカオスが観測され、次の段階に入ろうとしている。本研究においては、プラズマの輸送現象と最も関連が強いと考えられる不安定系における波動カオスの制御を試みた。カオスの制御は、Ott、Grebogi、Yorkeにより初めて理論的に示された(OGY法)。その後、いくつかの方法が提案され、現在、Time-Delay Autosynchronization(TDAS法)が最も観測可能なカオス制御理論として考えられている。 ダブルプラズマ発生装置を用いて、(1)イオンビーム・プラズマ不安定系、及び(2)電流駆動型イオン音波不安定系について実験した。主な結果は以下の通りである。 イオンビーム・プラズマ不安定系: (1)通常、イオンビー厶をプラズマに入射すると、カオス状態は観測されないで、乱流状態に達する。そこで、メッシュグリッドを挿入し、境界条件を課したところ、時系列上に間欠的振る舞いが観測された。カオス解析の結果、系がカオス状態にあることが確認された。 (2)カオスが観測される場合にテスト波を伝播させ、励起振幅を上げたところ、振幅振動が観測された。即ち、この系の非線形効果は粒子捕捉が効いていることが分かった。 電流駆動型イオン音波不安定系: (1)ここでは、定在波型の不安定性の励起には正帰還が必要であることに着目し、帰還系に摂動を与えることによりカオスの制御を試みた。 (2)パルスの他にDC電圧を印加しても、電流駆動型イオン音波不安定に起因する間欠性カオスを制御出来ることを見出した。さらに、電圧-電流特性にヒステリシスが存在することが初めて分かった。 (3)この系にTDAS法を適用し、カオス制御を試みた結果、制御されることが分かった。 以上の結果はプラズマの非線形波動現象の発展に大きく寄与するものと考えられる。今後は、磁化プラズマ中で観測されるカオスの制御を試みること、特に、高温プラズマの輸送過程で重要な役割を果たしているドリフト波やフルート波乱流の制御に繋がる研究が重要な課題である。
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