研究課題/領域番号 |
12480124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 潔 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (00027145)
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研究分担者 |
多幾山 憲 広島大学, 工学部, 教授 (40112180)
山本 靖 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (50158309)
大西 正視 関西大学, 工学部, 教授 (80089119)
増田 開 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (80303907)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | 放電型核融合中性子源 / 慣性静電閉じこめ核融合 / レーザ誘起蛍光法 / シュタルク効果 / 電界分布の分光的時間・空間計測 |
研究概要 |
空間分解能を高めたレーザー誘起蛍光法による高精緻電界計測を行うため、256×256pixelを持つ7mm角のCCDを分光器に取り付け、更に、円形断面のレーザー光を直線シート状に変換する装置を導入した。一方この装置による高空間分解能計測を行うためには、対象とする空間には幅広い電界強度範囲が存在すると考えられるのでシュタルク効果を利用した当該レーザー誘起蛍光法を有効に駆使できる方法を構築しておくことが必須要件となる。 平成12年度の研究においては、より電界強度に敏感なレーザー誘起蛍光法を適用するため、理論的に一桁ほど高いレーザー禁制線励起効率をもち、かつ電界強度範囲が0.05-0.5kV/cmと一桁低い電界計測が可能な、n=4(4^1D→2^1p,492.2nm)遷移によるレーザー誘起蛍光計測法を採用し、電界分布が既知のU型ホロー陰極放電(ステンレス製、対向電極間隔10mm)で両陰極中心部の比較的電界の弱いところでは0.1kV/cm程度まで精度良く計測できることを確かめた。 平成13年度の研究では、上記のより鋭敏なレーザー誘起蛍光法を用いて、放電型核融合中性子源内での電界分布の計測を試みた。まず、イオンビームによる空間電荷効果が大きく、フォトマルで計測に成功したセンタースポットモードについてレーザー誘起蛍光法計測を行った。とくに、256×256pixelを持つ7mm角のCCDで計測する場合、1pixelの横幅が約25μmと小さいため、S/N比を高めるため、分光器の縦方向幅を大きくし、さらに、統計的ノイズを消去するため、約千回以上のレーザーショット(10Hz)による積分を行った。その結果、CCD計測系の増幅率を最大に設定した場合でも、偏光板を取り去った場合でもわずかにレーザーによる誘起蛍光がノイズのなかに少し見える程度で、これらの値を有意な物理量としてレーザー誘起蛍光法による電界計算を行うには不十分なことが判明した。原因を検討した結果、高エネルギー電子の存在が十分でなく2^1S(基底状態から20.6eV)励起状態の原子密度が小さいためであることが分かったので、その対策として、前もって2^1Sに励起されたガスジェットを計測点に打ち込む方法の研究に着手した。一方、この高性能なCCDを用いてセンタースポットの大きさを測定したところ、短時間に精密な空間的分布が得られ、さらに、ドップラー効果によるビームの速度計測でも精度よくビームエネルギー分布をもとめることができ、本CCDを用いた計測法の優秀性が明らかとなった。中性子量の増大についても、印加電圧の高圧化(>60kV)により、中性子発生量1.1x10^7n/secを達成することができた。
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