研究課題/領域番号 |
12480144
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
成田 尚史 (2002-2003) 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50250501)
田中 教幸 (2000-2001) 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
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研究分担者 |
大田 啓一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80022250)
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院・環境研究科, 教授 (50133129)
渡辺 豊 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (90333640)
成田 尚史 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50250501)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 泥炭層 / 気候変動 / インドネシア / 花粉 / エレメンタルカーボン / 森林火災 / 同位体 / 乾燥化 / 泥炭 / 煤 / 放射性炭素 / バイオマーカー |
研究概要 |
熱帯域での気候変動の記録は、温帯や寒帯に比較してその知見は非常に限られている。特に、陸域での環境変動の高時間分解能の記録は比較的少ない。本研究では、泥炭層及び木に記録されている気候変動のプロキシを分析して経年変動から100年周期変動を調べ、過去のインドネシア周辺の気候変動の再現とその変動要因の解析を行うことを目的としている。 本研究では、インドネシア西ジャワ島に位置するラワダナウ湖において、インドネシア科学院地質工学研究所で特別にデザイン、共同開発製作した陸上用のピストン柱状試料採取器を使用し採取した、長さ362cmの泥炭堆積層の柱状試料の分析を行ってきた。また、ピストンコアでは表面付近の乱れが避けられないので、チューブを手でゆっくり押し込んで表層32cmのコアーも採取した。試料採取地点は、Rawa Danau湖北側の開墾のために試料採取の2年前(2002年)に火入れを行い放置されている場所を選定した。泥炭の分析にあわせて、スベリー島で熱帯林の数種に年輪を発見し、試料を持ち帰り、うちマングローブのTree ringに関して、セルロース中の炭素酸素同位体の分析を行った。有機炭素の放射性炭素の分析から、泥炭層最下部の歴年代は、7428 yr BPと見積もられた。泥炭中の有機炭素、全窒素、炭素窒素の安定同位体比、元素状炭素、他の地球化学的プロキシ、花粉分析の測定結果は、いずれも過去8千年間での、この地域に湿潤の周期的な変動を記録していた。特に、リグニンフェノールの分析に基づく、lignin phenol vegetation index (LPVI)は、完新世中期以降、大きく4回の植生の変化が起こったことを物語っていた。さらに、元素状炭素の分析からは、ほぼ同時期に2〜3回の森林火災が多発する時代が存在することが明らかになった。 スベリー島で採取したマングローブのtree ring(約5cm)の分析からは、酸素炭素同位体と周期的な変動が見られた。この周期的な変動は、酸素同位体に関しては2〜4mm、炭素同位体に関しては1mmほどの波長であり、後者は季節変動を示すに対して、前者は、数年スケールでの気候変動を示す可能性があり、両者とも生息地での相対湿度や降水量と関連した(塩分ストレスも含む)変動であると考えられる。 本研究で行った泥炭層およびtree ringの分析は、過去8千年及び数十年でのこの地域の気候変動を記録したものであると結論できる。
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