研究課題/領域番号 |
12480145
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 滋賀県立大学 (2001) 北海道大学 (2000) |
研究代表者 |
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50238234)
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研究分担者 |
磯田 豊 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (10193393)
工藤 勲 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (00195455)
丸尾 雅啓 (丸尾 雅裕) 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (80275156)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 珪藻ブルーム / 生食食物連鎖 / 微生物ループ / メソ動物プランクトン / マイクロ動物プランクトン / バクテリア / 渦鞭毛藻 / 溶存有機物 / メソ動物プランクトレ / 植物プランクトン |
研究概要 |
北海道沿岸に位置する噴火湾湾奥部において、春季ブルーム直前から夏季に渡って、動・植物プランクトンおよびバクテリア現存量、一次生産およびバクテリア生産、メソ及びマイクロ動物プランクトンの摂食速度を測定した。珪藻の春季ブルームは、水温3-4℃下で2月中旬から始まり、3月中旬まで続いた。この間、メソ(中型)動物プランクトンバイオマスは常に低く、これらによる摂食ロスも極めて低い。マイクロ(小型)動物プランクトンバイオマスはブルームと共に増加したが、これの珪藻類に対する摂食ロスはほとんどなかった。一方、バクテリア生産はブルームと共に増加する傾向を示すものの、バイオマスの増加は見られなかった。これらの観測結果に従って噴火湾におけるエネルギーフローを描き、生態系モデルを構築し、春季ブルーム前後における食物網とエネルギーフローの違いを明らかにした。春季ブルーム期には、メソ動物プランクトン現存量が著しく低いため、珪藻の一次生産からメソ動物プランクトンに流れるエネルギーは極めて少なく、珪藻が排泄する溶存有機物からバクテリア-原生動物-メソ動物プランクトンという「微生物ループ」が卓越した。これに対して、ブルーム期以降は、メソ動物プランクトンが排泄する無機栄養塩を使って渦鞭毛藻が増殖しこれをメソ動物プランクトンが摂食する経路と、メソ動物プランクトンが排泄した溶存有機物を使ってバクテリアが増殖し、これをマイクロ動物プランクトンが摂食し、さらにこれをメソ動物プランクトンが利用する経路の2経路が存在することが分かった。すなわち、珪藻の春季ブルームは溶存有機物を介して間接的にメソ動物プランクトンを支えているが、ブルーム以降はメソ動物プランクトンによって再生される無機及び有機の栄養素が食物網を循環している事を示すことができた。
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