研究課題/領域番号 |
12480154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 忠 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90089805)
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研究分担者 |
寺西 美佳 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10333832)
日出間 純 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (20250855)
山本 和生 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (20093536)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 紫外線B / イネ / 光回復酵素 / 紫外線耐性機構 / クリプトクローム / ファイトクローム / シクロブタン型ピリミジンダイマー / アントシアン / 光修復(回復)酵素 / 光修復(回復)酵素遺伝子 / シクロブタンピリミジンダイマー / 紫外線防御機構 / 光修復酵素 |
研究概要 |
以下に2000年度から2002年度の期間において見出した結果を記す。 (1)ササニシキ、農林1号の光修復酵素特性の生化学的・分光学的な解析から、感受性品種農林1号の光修復酵素は、抵抗性品種ササニシキと比べ、CPDと結合し難く、温度安定性も低く、この原因は構造的変異によることをシングルフラッシュ法により見出した。 (2)両品種のcDNAから光修復酵素遺伝子のクローニングに成功し、506アミノ酸残基からなる推定アミノ酸配列を決定した。ササニシキの126番目のアミノ酸残基はグルタミンであるが、農林1号ではアルギニンであり、この違いが酵素活性の違いの原因であることを見出した。 (3)紫外線抵抗性品種ササニシキ・感受性品種農林1号のCPD光修復酵素遺伝子のクローニングと遺伝子産物の精製:両品種のCPD光修復酵素遺伝子を、光修復遺伝子欠損大腸菌を用いGST-fusion系でタンパク質を精製することに成功し、本酵素が持つ2つの光受容体の一つはFADであることが明らかとなった。 (4)CPD光修復酵素発現の光調節反応機構の解析:暗黒下で生育したイネ黄化幼植物からの光修復能力の誘導はフィトクロームによって調節されること、この光修復酵素遺伝子の転写は、フィトクローム、クリプトクロームによって制御されていることを見出した。 (5)光修復酵素遺伝子組換え体イネ品種の作出:アグロバクテリウムの系を用いてphr1高発現イネ組換え体を作成中である。 (6)イネのUVB防御機構におけるUV吸収物質の役割:紫イネと台中65号(T-65)との戻し交雑により得た準同質系統(NIL)のUVB付加条件での生育は、葉内UV吸収物質含量、アントシアニン含量が高いにも関わらず、T-65に比べ抑制され、葉内CPDレベルも高かった。これは、アントシアニンにより、CPDの光回復に有効なBlue/UVAの遮蔽がCPD生成に有効なUVBの遮断より大きいことによることを見出した。
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