研究課題/領域番号 |
12480165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古川 憲治 熊本大学, 工学部, 教授 (60029296)
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研究分担者 |
藤井 隆夫 崇城大学, 工学部, 教授 (80165331)
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20230146)
松永 勝彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90001619)
杉野 浩幸 崇城大学, 工学部, 講師 (90258434)
BHATTI Zafar I. 熊本大学, 工学部, 講師
JOSEPH Rouse D. 熊本大学, 工学部, 助教授 (80284743)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | Anammox / 嫌気性アンモニア酸化 / 亜硝酸イオン / 不織布 / PVAゲルビーズ / 菌相解析 / Zoogloea ramigera / 定量的PCR法 / カラムリアクタ / NH_4-N / NO_2-N / 窒素安定同位体 / Planctomycete / Anammox汚泥 / 脱窒汚泥 / 大量調製 / 付着固定化 / 担体 |
研究概要 |
懸濁法でのAnammox汚泥の集積が不可能であったことから、我々が活性汚泥微生物の付着固定化担体としてその有効性を明らかにしているピリジニウム系のポリマーで含漬コーチング処理した厚さ0.5mmのポリエステル製の不織布を充填した容量1.0Lの上向流カラムリアクタを用いてAnammox汚泥の集積を試みた。その結果、1年後にAnammox汚泥の集積に成功した。この馴養に成功したAnammox汚泥を種汚泥として、容量2.0Lの菊花状の不織布を充填したカラムリアクタを1年間連続運転しすることでAnammox汚泥をリアクタ全体で増殖させることに成功した。この不織布上に増殖したAnammox汚泥を容量15Lの不織布を充填したカラムリアクタに移植し、連続処理法にて馴養を継続した。その結果、運転開始当初のT-N容積除去速度(0.06g-T-N/L/d)を100日後に0.5g-T-N/L/dにまで迅速に高めることができ、Anammox汚泥の大量調整法に道筋をつけることができた。 連続カラム試験で、^<15>NでラベルしたNH_4^+を反応基質として与え、発生する窒素ガスを質量分析計で測定することで、馴養に成功したAnammox汚泥はNH_4^+とNO_2^-からN_2ガスを生成することを確認した。 Anammox汚泥の付着固定化担体として不織布以外の担体の有効性を評価した結果、PVAゲルビーズがAnammox汚泥の付着担体として最も有効的であった。このPVAゲルビーズを400mL充填した容量2.5Lのカラムリアクタを上向流にて滞留時間12時間で連続運転し、運転開始200日後にT-N容積除去速度を0.8g-T-N/L/dにまで高めることができた。 研究室で馴養していた脱窒活性汚泥から長期間Anammox条件下で馴養集積したAnammox汚泥は、これまでに全く報告のないAnammox細菌(KSU-1株と命名した)とZoogloea ramigeraから主として構成されていることが分った。定量的PCR法でKSU-1株とZoogloea ramigeraのAnammox汚泥中での存在割合を求めたところ、KSU-1株が72.8%、Zoogloea ramigeraが6.05%の存在割合であった。また、FISH法でKSU-1株を赤く、Zoogloea ramigeraを緑色で染色した後、共焦点レーザー顕微鏡にてAnammox汚泥を観察したところ、顆粒状で生育するAnammox菌の表層をZoogloea ramigeraが被覆しているという新しい事実を発見した。Zoogloea ramigeraがAnammox菌の生育の阻害要因となるDOや有機物を消費することで、絶対嫌気性の自栄養性細菌であるAnammox細菌を保護するという重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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