研究課題/領域番号 |
12480168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
宮田 秀明 摂南大学, 薬学部, 教授 (80167676)
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研究分担者 |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
青笹 治 摂南大学, 薬学部, 助手 (20248066)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 難分解性有機汚染物質 / POPs / 黒松針葉 / 大気 / 汚染評価法 |
研究概要 |
昨年度開発した新規ローボリュームエアーサンプラーを用いて大気を捕集し、難分解性有機汚染物質(POPs)のダイオキシン類について、1年4ヶ月間における経週的濃度変動を明らかにした。大阪府枚方市における大気中濃度は、春期から夏期にかけて高濃度を示し、冬期ではむしろ低い傾向にあり、従来指摘されてきた季節的変動とは全く逆である貴重な結果が得られた。経週的濃度変動は比較的大きく、この研究期間における(最大/最小)濃度比は約4倍にもなる。同期間において経週的に採取した黒松の針葉試料には、大気中の気相状態のダイオキシン類が主に蓄積しており、その蓄積濃度は葉齢に相関していた。この結果に基づいて、黒松針葉におけるダイオキシン類蓄積濃度係数を算出し、さらに、これを基にして(1)黒松針葉-大気気相中実測濃度変換係数(2)大気気相-総大気中実測濃度変換係数および(3)大気中実測濃度-TEQ濃度変換係数を算出・設定し、これらの係数および気温を組み込んだ黒松針葉中蓄積濃度から大気中ダイオキシン類濃度が算出できる評価式を構築した。本評価式は大阪府下の環境が異なる8ヶ所の適用した結果、比較的高精度に大気濃度を評価できることが判明した。従って、今回構築した評価式は、今後の環境研究に大きく貢献できるものと思われる。環境総合研究所と共同して全国規模で実施してきた黒松針葉による大気中ダイオキシン類バイオモニタリングは、シュミレーションによる汚染結果と良好な相関を示すことが明らかとなり、黒松針葉によるバイオモニタリング法の有用性を強調することができた。 一方、他のP0Ps評価式を構築するための基礎的研究として、DDT類、HCH類、クロルデン、六塩化ベンゼン(HCB)について、ローボリュームエアーサンプラーを用いて大気中の存在状態を明らかにし、今後の有用な知見を得ることができた。
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