研究課題/領域番号 |
12480179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究分担者 |
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
武谷 浩之 三重大学, 医学部, 講師 (60222105)
井戸 正流 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90167263)
鎌田 春彦 三重大学, 医学部, 助手 (00324509)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | 血管内皮 / 抗血栓性因子 / 蛋白質構造・機能相関 / アデノシン受容体 / アスピリン / トロンボモジュリン / プロテインC受容体 / 組織因子 / 血管内皮細胞 / 細胞膜受容体 / アデノシン / NO産生酵素 / cGMP / cAMP |
研究概要 |
血管内皮細胞には血液の流動性維持のための抗血栓性機能が存在する。しかし、感染性因子やトロンビンなどの凝固因子で刺激された内皮細胞では、トロンボモジュリン(TM)やプロテインC受容体(EPCR)の発現低下により抗血栓性機能が低下するとともに組織因子(TF)やMCP-1などのケモカイン、細胞接着因子などが産生され、炎症と凝固反応が亢進し、血栓形成傾向をきたす。一方、これまでに我々は、トロンビンによる血管内皮細胞でのTFの発現をアデノシン(Ado)トランスポーターの阻害剤である塩酸ジラゼプが強く抑制することを報告してきたが、本研究では、Adoがその受容体を介して、血管内皮細胞でのTFの発現や細胞接着因子の産生を抑制し、線溶系機能を亢進することを明らかにした。更に、非ステロイド性抗炎症薬として知られるアスピリンおよびその代謝産物であるサリチル酸(Sal)がトロンビン刺激内皮細胞でのTFの発現をAdo受容体を介して抑制することを見いだした。Salは細胞内でのNF-κBの活性化を阻害することが示唆されており、現在、このAdo受容体を介するNF-κBの活性化制御の分子機構を解析している。他方、血管内皮の抗血栓性に関わる細胞膜受容体の構造・機能相関の解析研究の一環として、欧米白人で血栓症の一因になることが示唆されているTM異常症やEPCR異常症について、日本人の冠動脈疾患患者におけるTM分子上のAla(GGC)25Thr(AGC)変異およびEPCR分子上めGly(GGC)219Ser(AGC)変異の有無を解析した。その結果、これらの変異は日本人では健常人でも冠動脈疾患患者と同程度にみられることが明らかになった。この結果は、これらの変異が両蛋白質の機能発現には影響を及ぼさないこと、また血栓症発症の主要な原因にはならないことを示唆しているが、この点を確認するため、現在、小麦胚芽抽出液を用いたin vitro転写・翻訳系により異なる分子構造の組換え蛋白質を作製し、その生物活性を解析し、両分子の構造・機能相関を解析する準備を行っている。
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