研究課題/領域番号 |
12480192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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研究分担者 |
北川 恭子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20299605)
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
小田 敏明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90126805)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2001年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2000年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | p27^<Kip1> / ユビキチンリガーゼ / 遺伝子治療 / 予後 / RBタンパク質 / 細胞周期 / p27^<kip1> / ユビキチン-プロテアソーム / リン酸化 |
研究概要 |
1 CDK阻害タンパク質p27^<Kip1>の分解機構の解析 p27^<Kip1>の分解は細胞周期のS期への進行に深く関与し、大腸癌、肺癌、乳癌、胃癌などの予後の悪さと分解の亢進が相関している。我々はp27^<Kip1>の分解で二つの機構を見い出し、その分子機構を解析している。p27^<Kip1>はSCF^<Skp2>ユビキチンリガーゼによってユビキチン化されて、プロテアソームで分解されるのが第一のメカニズムである。Skp2ノックアウトマウスを作成して解析したところ、身体の矮小化、肝臓、腎臓、肺胞細胞の多倍数化が観察された。細胞レベルではp27^<Kip1>の蓄積がみられ、個体レベルでSCF^<skp2>ユビキチンリガーゼがp27^<Kip1>の分解に関与していることが証明された。Skp2-l-MEFでp27^<Kip1>は確かに蓄積しているが、分解速度が低下しているだけで、特異的部位での限定分解活性は残存していた。我々はその切断部位を決定し、現在はp27^<Kip1>切断酵素の同定を行っている。p27^<Kip1>切断酵素活性はヒトの肺癌検体においても検出されたことから、癌の悪性化への関与が興味深く、今後の課題である。一方でp27^<Kip1>のリン酸化部位の解析の結果、Ser10が高頻度にリン酸化されていること、Ser10リン酸化型p27^<Kip1>は分解速度が低下すること、G0/G1期に多くS期に少ないことを見い出した。このことから、G1/S期のp27^<Kip1>の分解はSer10の脱リン酸化とThr187のリン酸化によって制御されていることが示唆された。また我々はSer10を含むp27^<Kip1>のN末端領域を認識して結合する蛋白質をYeast two-hybrid法で単離することに成功した。 2 RBタンパク質のユビキチンリガーゼの探索 癌抑制遺伝子産物RBタンパク質を中心とするRB経路は癌化のホットスポットであることから、その全容の解明は急務である。これまでRB遺伝子の点突然変異、欠失および転写領域のメチル化による発現抑制が報告されてきた。本研究において我々はRBタンパク質のユビキチンリガーゼの候補RBUbLase1を見いだした。RBUbLase1を細胞にRBと共に発現させるとRBタンパク質のユビキチン化が亢進することがわかった。一方でRB-UbLase1はin vitroでRBタンパク質をユビキチン化した。本研究成果は、RBタンパク質のユビキチンリガーゼが細胞癌化引き起こす可能性を強く示唆するものである。
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