研究課題/領域番号 |
12480193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
大隅 隆 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50111787)
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研究分担者 |
塚本 利朗 姫路工業大学, 理学部, 助手 (30236864)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / ペルオキシソーム増殖剤 / PPAR / PEX遺伝子 / コアクチベーター / Two-hybrid法 / ルシフェラーゼアッセイ / 核内レセプター |
研究概要 |
PPARに関して、以下の4つの課題について研究を行った。 1.PEX11α遺伝子の転写調節:ペルオキシソーム増殖剤によるペルオキシソームの誘導の分子機構を知るために、ペルオキシソームの分裂に関与するといわれている遺伝子PEX11αのPPARによる転写調節機構を解析した。マウスのPEX11α遺伝子の、PPARによって認識されるエンハンサー配列を見出すために、動物細胞を用いたレポーターアッセイを行った。PPARαによるこの遺伝子の転写促進には、遺伝子の下流域、転写開始点から約8kbのところに存在する配列がエンハンサーとして有効であることがわかった。この配列はPPAR/RXRのコンセンサス結合配列に類似しており、実際に結合部位として作用するすることが示された。現在、この配列の生理機能を吟味する実験を行っている。 2.リガンドによるPPARの安定化:PPARαをHeLa細胞に強制発現させたところ、発現効率がきわめて低かったが、リガンド存在下ではそれが顕著に改善されることがわかった。パルスチェイス標識実験によって、発現されたPPARタンパク質は細胞内で速やかに分解されるが、リガンド存在下では半減期が大幅に延長されることが示された。RXRを共発現させると、安定性は改善され、ここにリガンドをさらに加えてもそれ以上に安定化されることはなかった。またラットヘパトーマH411EC3にPPARαリガンドのWy14643を与えて培養しても、PPARαの存在量は変化しなかった。以上の結果から、PPARαは細胞内でRXRとのヘテロダイマー形成によって安定化されるが、過剰なPPARαは速やかに分解され、リガンドはこの分解過程を抑制すると考えられた。 3.AF-1領域と相互作用するコアクチベーター:PPARαのN末端ドメインに存在するリガンド非依存性転写活性化能に必要なコアクチベーターを探索した。他の核内レセプターのAF-1に対するコアクチベーターとして知られているCBP, SRC-1,TAFll31などについて、酵母と動物細胞でのTwo-hybridシステムによる解析を行ったが、相互作用は認められなかった。新規のコアクチベーターを従来の酵母のTwo-hybrid法によってスクリーニングしようとしたが、PPARαのAF-1が強い単独活性を示し、実験ができなかった。そこで、新しい原理のTwo-hybrid法により、スクリーニングを試みている。 4.PPARγ遺伝子の転写調節:脂肪細胞分化においてPPARγは重要な役割をもつが、分化過程でそれ自体が誘導される。この誘導に必要なエンハンサー配列を明らかにするため、マウスPPARγ2遺伝子の上流約15kbまでと、第1イントロンの内部、転写開始点下流約7.5kbまでの領域について、前駆脂肪細胞3T3-L1に対するトランスフェクション実験を行った。しかしこの領域には、分化誘導された細胞で特異的に作用するエンハンサーは見出されなかった。今後は、PPARγ1遺伝子を含め、さらにエンハンサーのスクリーニングを継続している。
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