研究課題/領域番号 |
12480202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中西 守 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
古野 忠秀 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (80254308)
平嶋 尚英 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10192296)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | MAPキナーゼ / MAPキナーゼカスケード / GFP / 共焦点レーザ顕微鏡 / 蛍光蛋白質 / Raf-1 / 核シャトル / 好塩基球 / キメラ蛋白質 / 核シヤトル |
研究概要 |
MAPキナーゼは細胞の分化・増殖の際に、中心的役割を果たす酵素である。抗原や細胞増殖因子などの刺激により活性化され、細胞外シグナルを核に伝達し、転写制御に関与する。しかし、刺激応答でのMAPキナーゼの核移行やMAPカスケードの活性化の分子機構についてはほとんど明らかにされていない。本研究では、MAPカスケードの3種類の蛋白質に着目し、細胞内動態の核移行のダイナミックを顕微光学法により追究した。具体的研究は2項目に大別できる。(1)MAPキナーゼカスケード蛋白質と蛍光蛋白質GFP(またはCFP、YFP、RFP)とのキメラ遺伝子の調製と細胞内発現。(2)MAPキナーゼの各シャトルとMAPキナーゼカスケード蛋白質の細胞内ダイナミックス。まず、蛍光性蛋白質GFPとMAPキナーゼ(ERK2)、MAPキナーゼ・キナーゼ(MAPKK ; MEK)およびMAPKKキナーゼ(Raf-1)とのキメラ蛋白質遺伝子(プラスミド)を調製し、それをラット好塩基球細胞株(RBL-2H3)に発現させ、MAPキナーゼカスケードの各種キメラ蛋白質を安定に発現する好塩基球細胞株を樹立した。次に、調製した好塩基球細胞株と共焦点レーザ顕微鏡を活用し、好塩基球の抗原刺激に伴うMAPキナーゼの核シャトル機構のダイナミックスを解析した。その結果、抗原刺激に伴いMAPキナーゼは数分で核内に移行するが、その後、再び速やかに核外に排出されることが明らかになった。また、MAPKKは速やかな核移行と核排出を行っているが、平均的には細胞質にその大勢が存在していることが判明した。一方、MAPKKキナーゼ(Raf-1)は抗原刺激に伴い細胞質から細胞膜にいったん移行するが再び細胞質に戻りMAPキナーゼカスケードの全体の制御に関与していることが明らかになった。この成果は、MAPカスケードの機能解明に対して重要な寄与をなすと判断された。
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