研究課題/領域番号 |
12480213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井上 純一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70176428)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | GTP結合タンパク質 / 細胞周期 / アポトーシス / RNP Kホモロジードメイン / RNA結合タンパク質 / DT40 / 細胞増殖 / アポートシス / 遺伝子破壊 / Gタンパク質 / 翻訳後修飾 |
研究概要 |
アポトーシス及び細胞周期の進行制御の関与すると予想されるGTP結合タンパク質ERAのヒトおよびマウスホモログの完全長cDNAクローニングを行った。ついでヒトERAの生理機能及びその作用機構の解明を目指し以下の結果を得た。 (1)ERAはRNA結合タンパク質である。 ERAのC末端側にはRNA結合能を有すると考えられるhn RNP K homology(KH)ドメインが存在する。リコンビナントERAタンパク質とランダムRNAを混合したところ両者の結合が確認された。ERAのRNA結合能はKHドメインを欠損させることにより消失した。KHドメイン欠損がERAの過剰発現によるアポトーシス誘導をも抑制することからERAの生理機能にそのRNA結合能が重要であると考えられた。アポトーシス誘導シグナルにRNAが関与するという報告はなく、新しい細胞生存制御の分子メカニズムが想定された。この内容は学術誌および各種学会において公表した。 (2)ERAは細胞周期進行および細胞の生存に必須である。 ERAの細胞増殖・生存における機能を調べるため、era遺伝子を欠損したニワトリDT40細胞株を樹立した。ERAを欠損した細胞は増殖が著しく低下すると伴にG1期の細胞が増加し、続いてアポトーシスが誘導された。またERA欠損細胞株で観察される表現型は野生型ERA導入により完全に相補されるが、RNA結合ドメインであるKHドメインを欠失したERAでは相補されなかった。この事実はERAが細胞増殖・生存をRNA結合ドメインを介し正に制御することを強く示唆している。これらの結果はすでに各種学会にて報告し、学術誌に印刷中である。
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