研究課題/領域番号 |
12480214
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70252525)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | MST1 / JNK / アポトーシス / Bax / 核凝縮 / MST / カスペース |
研究概要 |
ストレスで活性化するMAPキナーゼスーパーファミリーJNK、p38の経路の上流に位置するMST1の機能を検討した。MST1は細胞に発現すると細胞膜のblebbingや核の凝縮を引き起こし、アポトーシス様の形態変化を引き起こす。本研究において、MST1はこれらのアポトーシス様の形態変化をJNKの活性化を介して引き起こしていることを明らかにした。また、MST1はJNKの活性化によりDNAのヌクレオソーム単位の断片化を引き起こすが、これはカスペースの活性化を介していることが明らかになった。一方、核の凝縮と細胞膜のblebbingはカスペース活性を抑制しても誘導された。従って、MST1-JNK経路はカスペース依存的・非依存的両方の経路を介して細胞死を誘導することが示唆された。 MST1は、カスペースの上流に位置するだけでなく、カスペースによって切断されて活性化をされることを我々のグループは以前に報告した。本研究によって、MST1はC末端側に核外移行シグナル(NES)を有しており、NES依存的に細胞質局在を示すこと、またカスペースによる切断によりMST1のNESがキナーゼドメインから離れ、キナーゼドメインの核移行が起こることが明らかになった。さらに、核内に局在することがMST1による核凝縮誘導を促進することも示唆された。従ってMST1が、アポトーシス刺激によって核内移存し、核の凝縮を誘導するメッセンジャーとして働いている可能性が示唆された。 JNK経路がカスペースカスケードを活性化させるメカニズムを検討した。ミトコンドリア経路の場合、Bcl-2ファミリーの制御下でミトコンドリアからシトクロームcが放出され、これがカスペースカスケード活性化の引き金となる。本研究で、細胞死誘導型Bcl-2ファミリーのメンバーであるBaxのミトコンドリアへの移行をJNK経路の活性化によって誘導されることを見いだした。
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