研究課題/領域番号 |
12480233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
曽良 一郎 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (40322713)
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研究分担者 |
池田 和隆 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (60281656)
萩野 洋子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (40332382)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | オピオイド受容体 / ノックアウトマウス / 鎮痛 / 耐性 / 身体依存 / 報酬 / 場所条件づけ試験 / 静脈内自己投与試験 |
研究概要 |
μオピオイド受容体(μOR)ノックアウト受容体(KO)マウスにおいて、モルヒネ鎮痛が消失あるいは減少していることを報告し、μORがモルヒネ鎮痛に不可欠であることを明らかにしてきた。μOR-KOマウスはδ受容体が正常に発現しているにもかかわらず、δ受容体作動薬による鎮痛効果が減弱していたことから、δ受容体作動性の鎮痛効果はμORを介する神経伝達の上流に位置する可能性が示唆された。モルヒネを慢性投与した場合、野生型マウスだけではなくμOR部分欠損マウスではモルヒネの鎮痛効果が低下しており、生得的にμ受容体発現が減少していてもモルヒネ耐性を獲得することが示された。モルヒネの退薬症状はμOR完全欠損マウスにおいては消失していたが、部分欠損マウスでは退薬症状の指標に野生型との違いはみられなかった。μOR-KOマウスを用いることにより、モルヒネに期待される鎮痛効果と、身体依存などの副作用がともにμORに付随することが明確となった。しかし、モルヒネ耐性はμORの発現量には影響されないことが示された。さらに、μ受容体が欠損するとモルヒネのみならずエタノールの報酬効果が減少した。これらの結果により、μORがモルヒネの様々な作用に関与することが明確になった。 また、CXBKマウスBXD(DBAxC57)組み替え純系マウス系統種であるCXBKマウスではμORの発現が減少しておりμOR-KOヘテロマウスと類似していた。これよりμORが減少しているマウス系統種においてμOR発現量とモルヒネ鎮痛効果との間に相関を認めた。CXBKマウスでは正常野生型と比較してμOR mRNAの非翻訳領域が異常に長くなっており、非翻訳領域の変異はモルヒネ鎮痛効果個人差の遺伝子メカニズムである可能性が考えられた。
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