研究課題/領域番号 |
12480234
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 所長 (50022801)
|
研究分担者 |
伊東 秀紀 (伊東 秀記) 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・神経制御学部, 研究員 (40311443)
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・神経制御学部, 主任研究員 (10250250)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
|
キーワード | Hsp27 / αBクリスタリン / p20 / 細胞内封入体 / リン酸化 / 廃用萎縮 / 細胞分裂 / アレキサンダー病 / プロテアゾーム阻害剤 / プロスタグランヂンJ2 / Heat shock factor / ユビキチン化蛋白質 / 細胞死 / プロテアソーム / ユビキチン / ストレス誘導 / デスミン / 分子シャペロン / 抗リン酸化抗体 / 廃用萎縮筋 / 神経支配 / 蛋白質品質管理 / 解離 / アグリゾーム / p38 MAPキナーゼ |
研究概要 |
(1)細胞内封入体形成とHsp27およびαBクリスタリンに関する研究 プロテアゾーム阻害剤やプロスタグランヂンJ2に細胞を曝露したり、変異蛋白質を発現させると、熱ショック転写因子(HSF)の活性化を伴って、細胞内でユビキチン化蛋白質とHsp27およびαBクリスタリン、とくにリン酸化型、を含む不溶性蛋白質複合体の形成が促進され、細胞内封入体が現れ、細胞死につながる。しかし、同時に蛋白質合成阻害剤(シクロヘキシミド、アニソマイシン)を共存させるとこれらの現象は阻止された。HSF1遺伝子を破壊した細胞では、wild typeの細胞に比べ、上記の応答が少ないことから、細胞内不溶性蛋白質複合体、封入体の形成過程にはHSFが関与していることが分かった。しかし、両シャペロンのリン酸化は封入体形成には無関係であることが分かった。 (2)ラットを後肢懸垂して誘導した廃用萎縮ヒラメ筋中でも、不溶性分画にリン酸化されたHsp27およびαBクリスタリンが蓄積することを見つけた。この応答は、同側の坐骨神経を切断すると現れないことから、神経支配を受けていることが分かった。 (3)αBクリスタリンおよびHsp27のリン酸化と重合状態に関する研究 αBクリスタリンのリン酸化部位(セリン残基)をアスパラギン酸に置換した変異蛋白質およびそれを発現させた細胞を用い、αBクリスタリンもHsp27と同様にリン酸化を受けると重合状態が変わり、シャペロンとしての活性が低下するこどを明らかにした。また、細胞中のHSP27が各種のストレスにより、解離するのはリン酸化によることを、各種のリン酸化阻害剤を用いて証明した。 (4)αBクリスタリンの生理的・病理的リン酸化に関する研究 分裂期の細胞の細胞質に、セリン45がリン酸化されたαBクリスタリンが普遍的に観察されるのに対し、セリン59がリン酸化されたαBクリスタリンは中心体、中央体で検出されることを明らかにした。また、アレキサンダー病、アルツハイマー病脳では、セリン59のリン酸化型が多く検出されることを見つけた。 (5)種々の生理活性物質によるHsp27の誘導とその機構を明らかにした。 (6)血管平滑筋中のp20が血管内に遊離して、血小板に作用してその機能を調節していることを示唆する結果を発表した。また、αBクリスタリンも類似の作用があることを見つけた。
|