研究課題/領域番号 |
12480246
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小沢 瀞司 (小澤 瀞司) 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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研究分担者 |
飯野 昌枝 群馬大学, 医学部, 助手 (20008329)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | ベルグマングリア / 小脳 / AMPA受容体 / GluR2 / Ca^<2+>透過性 / アデノウイルス / グリア細胞突起 / EPSC / 突起退縮 / 突起伸展 / シナプス伝達 |
研究概要 |
グリア細胞には多種類の神経伝達物質受容体の存在することが報告されているが、その機能的意義は不明である。小脳のベルグマングリアには、AMPA型グルタミン酸受容体が存在し、AMPA受容体を構成するサブユニットのうち、GluR2の発現が欠落しているので、Ca^<2+>透過性AMPA受容体が形成されている。ベルグマングリアにおけるCa^<2+>透過性受容体の機能的意義を明らかにするため、GluR2 cDNAを組込んだ組換えアデノウイルスを作製して、ラット小脳皮質に注入し、GluR2を強制発現させ、Ca^<2+>透過性AMPA受容体をCa^<2+>非透過性AMPA受容体に変換した。正常状態では、平行線維、登上線維とプルキンエ細胞の樹状突起棘間で形成されるグルタミン酸性シナプスはグリア細胞の突起により完全に包囲されているが、この操作により、この突起が退縮し、シナプスが露出された。このために、グリアのグルタミン酸トランスポーターによるシナプス間隙からのグルタミン酸の清掃が遅れ、平行線維、登上線維刺激により発生するEPSCの下降相の時間経過が遷延した。また、登上線維による多重支配も出現した。従って、Ca^<2+>透過性AMPA受容体がグリアとニューロン間の形態及び機能相関に重要な役割を果たすことが明らかになった。 また、ラット小脳から作製した単層培養ベルグマングリアを対象とした実験では、Ca^<2+>透過性AMPA受容体をCa^<2+>非透過性受容体に変換すると、グリアの突起は退縮するが、Ca^<2+>透過性AMPA受容体の過剰発現は突起伸展をもたらすことが明らかになった。このCa^<2+>透過性AMPA受容体の活動による突起伸展には、カルモジュリンキナーゼII(CaMKII)の活性化が必要であり、Ca^<2+>透過性受容体を流入するCa^<2+>は、CaMKIIによるグリア細胞の細胞骨格タンパク質のリン酸化を介して、突起の形態を制御することが示唆された。
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