研究課題/領域番号 |
12480259
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戸川 達男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40013859)
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研究分担者 |
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教務職員 (00205668)
小川 充洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30322085)
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00211798)
横関 博雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90210608)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | QSART / 発汗 / イオントフオレシス / 単一汗腺 / 電導度計測 / イオントフォレシス / 電導度法 / 軸束反射 / イオン導入法 / 精神性発汗 / 汗腺神経支配 |
研究概要 |
われわれは、1996年に従来の換気カプセル法とは原理的にまったく異なる発汗計測法として、電導度法を開発した。この方法は、脱イオン水を皮膚の微小な領域に灌流し、汗に含まれるイオンによる灌流液の電導度の変化を計測するものであり、きわめて小さな領域で、しかも速い変化まで記録することができることが大きな特長である。電導度法を用いることによって、個々の汗腺の活動はきわめてダイナミックで、とくに精神性発汗では、鋭いパルス状の発汗波形がしばしば観察されることがわかった。そこで、さらにこの方法を発展させ、(1)複数の単一汗腺活動の同時計測、および、(2)アセチルコリン誘導発汗(QSART)の計測への応用、を目標とした研究計画を策定した。 本研究の技術的達成目標として、上記の研究目標を満たす装置の開発をめざし、プローブ(電導度セル)灌流装置、電子計測機器、イオン導入法、データー処理などの具体的開発目標を設定した。 これらの目標を達成するため、生体計測を専門とする研究代表者戸川、生物学が専門の大塚、機械工学出身で医学の学位を取得した小川、電子計測が専門の斉藤、皮膚科の横関の5名により組織して研究を行った。また、国際協力として、研究機関の間で学術交流協定を締結しているポーランド科学アカデミーのバイオサイバネティクス医用生体工学研究所との研究者の交流を行った。 本研究は3年間継続し、2003年3月で終了するが、当初の目標の主要な項目はすべて達成することができ、当初の計画よりさらに進んだ成果が得られた部分もある。すなわち、4個の単一汗腺活動の記録が可能となり、個々の汗腺活動の相違や同期して活動する様相を、世界ではじめて連続記録としてとらえることに成功して。また、アセチルコリン誘発発汗についても、軸索反射のほかに汗腺への直接作用を記録することに成功した。本法の臨床での評価など若干の点で目標が達成できなかった部分はあるものの、全体として当初の目標をほぼ達成することができ、予想を越える成果も得られているので、本研究を実施したことはきわめて有意義であったと考えている。
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