研究分担者 |
小山 真人 静岡大学, 教育学部, 教授 (70183811)
笹本 正治 信州大学, 人文学部, 教授 (70111820)
森田 悌 群馬大学, 教育学部, 教授 (00019332)
藤田 明良 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50309514)
林 信太郎 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90180968)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
研究概要 |
鳥海火山東部山腹で十和田a火山灰直下にある灰色粘土質火山灰を発見した.日本三代実録に残る鳥海山の貞観十三年(871年)噴火の記録と地質学的記録を照合したところ,この火山灰は貞観十三年噴出物であると思われた.その噴火で鳥海山に「二匹の大蛇」が現れたという記録が『日本三代実録』に残されている.この記録の検討と山頂部の火山地形を現地調査した結果,「二匹の大蛇」は溶岩であったと思われた. 赤城山南斜面で多数みつかる9世紀の地割れ・土石なだれ・洪水などの地変跡はすべて,『類聚国史』に書かれた818年地震被害によるものだと考えた.この地震に伴う地割れは多数発掘されたが,震源断層はまだみつかっていない.地震のメカニズムも不明である.この地震災害は,この地域で数万年に1回程度しか起こらないきわめて稀な現象だったらしい. 宝永噴火(1707年)は,数ある富士山の歴史噴火の中で,東海-南関東地域一帯で豊富な目撃記録が現存する唯一の噴火である.それらの記録を読んで,16日間に渡った噴火期間中に各地でいつどんな現象が生じたかを明らかにした.とくに『伊東志摩守日記』に宝永噴火が詳細に記述されていることを再発見した.この史料の出自・性格や現存状況を明らかにした上で,宝永噴火部分全文の翻刻を呈示するとともに,付記されている絵図を紹介した. 韓国済州島が11世紀初頭に噴火したことが『高麗史』など複数の文献史料に書き残されている.それら史料の編纂意図,文飾や成句のあり方,使用素材などを検討し,現地での地質調査結果とあわせて,11世紀噴火の実像に迫った.とくに噴火位置については,現地で流布している飛揚島説に根拠が乏しいことを述べた上で,島の南西部にあたる大静県内であろうと推定した.
|