配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
研究課題に関する研究としては,2種類に大別される,一つは日本(早稲田大学)・フランス(Toulouse大学)・米国(Michigan州立大学)で母親を対象として行った質問紙調査であり,それはそれぞれの国において3ヶ月齢から3歳未満までの子をもつ300名以上の母親に対してなされた.質問紙は10ページを超えるもので,その項目の協議・翻訳・倫理委員会の承認や協力者の確保等全般に予想外の時間を必要とし,過去に例を見ない研究としてその成果には大きな期待が寄せられるものの,現在まだ結果を報告するに至っていない. もう一つは,基本的に日本の母親における哺乳・離乳の支援・制限要因の検討とその縦断的変化等に関する質問紙・インタビュー・日誌等による諸研究で,これについては成果をまとめて3月に日本発達心理学会において一般発表とシンポジウムを行った.成果の概要は次の通りである:(1)日本の母親は心理・栄養・免疫などの諸側面から母乳哺育への強い志向性を持つ,(2)それは全国の保健センターにおける育児の指導にも反映されている,(3)したがって母乳の出具合が母親達にとっての大きな関心事であり,かつ不安要因である,(4)哺乳スタイルの選択は育児信念と深く関連し,(5)かつそれは夫・祖母などの家族,専門家・近隣・友人など周囲の人間関係,子ども自身,母親の就労や過去の育児体験などが複合的に関与する,(6)母乳哺育への意識は子どもの成長発達とともに推移する. これらの母乳・人工乳哺育に関する知見を通じ,哺乳と離乳に関するこれまでに例を見ない総合的な考察が可能となった.個別の報告はもちろんのこと,国際共同研究の結果が出そろうのをまってこの成果は国際学術誌に投稿される予定である.
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