研究分担者 |
稲垣 正晴 (株)ウォールナット, 技術部長
前野 英生 通信総合研究所, 地球環境計測部, 研究官
竹井 巖 北陸大学, 薬学部, 講師 (70247477)
藤田 秀二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250476)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
松岡 健一 総合地球環境学研究所, 日本学術振興会特別研究員
曽根 敏雄 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222077)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
本研究は,交通手段やAC電源が得られない遠隔の山岳地の氷河において,1人ないし2人の人力のみで運搬,観測できる小型,軽量,小電力の高性能アイスレーダを開発,実用化することを第1の目的とした。さらに,多量の水を含む温暖氷河の氷厚を測定できること、及び積雪やフィルンの内部層構造の観測・解析方法を確立することを第2の目的とした。 まず新規に製作するべきアイスレーダの仕様の検討のため,各種文献,資料を調べるとともに,雪や氷中の電波伝搬,散乱,吸収等に関する計算や実験、及び雪の誘電的性質におよぼす密度,温度,含水率等の影響を考察した。以上から,山岳氷河の氷厚測定には約4MHzから数十MHzの低周波レーダが,積雪の層構造調査には数百MHzから約3GHzの高周波レーダが適していることが分かった。そのため12年度に,「インパルス式低周波アイスレーダ」(5MHz)を新規に設計,製作し,「高周波アイスレーダ」(900MHz)として既存の地中探査レーダを購入した。13年度及び14年度には,カナダ・アサバスカ氷河において,低周波及び高周波アイスレーダの現地テストを行うとともに,北海道及び本州の季節積雪において高周波アイスレーダによる積雪構造の調査とテストを実施した。これらをふまえ,低周波アイスレーダの改良を加え,高周波アイスレーダの測定法,データ解釈法に新しい知見を得ることができた。 とくに積雪における高周波レーダのデータ解析と理論的計算を行った結果,地中探査レーダに固有なノイズをある程度除去することができ,約100-250kg/m^3の密度差をもつ積雪層境界を検出できることが分かった。さらに,高周波レーダにより,積雪深のみではなくさまざまな積雪の相当水量を測定できる関係式を導いた。以上の低周波,高周波レーダの研究成果は国際学会誌及び国内学会誌等にて順次発表した。
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