研究課題/領域番号 |
12554018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 美千彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70260528)
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研究分担者 |
末広 実 株式会社アトラス, 技術主任
田端 寛和 日本大学, 文理学部, 助手 (80272665)
末弘 実 (株)アトラス, 技術顧問
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | ピストンシリンダー / X線CT / 二面角 / 石英岩 / ダナイト / 粒界移動 / 組織平衡 / 集合組織 / クリスタルマッシュ / 界面エネルギー / 濡れ / 浸透流 / マグマ溜り / 花崗岩 / 火山噴火 / ペグマタイト / 地殻内流体 / 浸透率 / SPring-8 / 岩石物性 / 高圧発生装置 |
研究概要 |
本研究課塵によって、下記のような特徴を持つピストンシリンダー型装置を製作した。 1.油圧操作系が簡潔明快:上ラム(シリンダー締付)・下ラム(ピストン挿入)それぞれにスプリングによる自動復帰機能がついているため、減圧操作は油圧を開放するだけで、反発動作による煩雑な手順を必要としない。またラムは常に同一の位置に復帰する。そのため、各ラムと油圧ポンプを直結する二つのバルブで全ての操作が可能。 2.安全性が高い:加圧部全体が鉄板のカバーで覆われ、感電及び万一のシリンダー破壊による危険性が極めて低い。カバーロック部には接触スイッチが付属し、電源との間にフェイルセイフ機能をつけることも可能。トランスにも全面を覆うカバー(放熱窓付)を取り付け、運転中の接触による感電・埃の付着による発熱事故を防止。 3.下部取出し:WC製ピストン・プレッシャーピースの1.7mm径中孔とブリッジ部の孔を経て4穴熱電対碍子・導線や水熱用キャピラリーチユーブの取出しが可能 本装置を用い、我々は主に水やメルトなどの流体を含む岩石の、集合組織としての振る舞いを石英岩-水系、ダナイト・ウェーライト-水系、部分溶融花崗岩系において系統的に調べた。石英岩-水系においては、高圧実験産物中における流体の微小な三次元分布形状を高分解能X線CT法で直接観察し、以下のような物性が明らかとなった。(1)流体と鉱物粒子を出発段階から混ぜて焼結する従来の方法では、流体が粒界移動を妨げるため、岩石全体の組織が平衝に達するのが非常に遅いこと(2)二面角が小さく石英の溶解度が高い塩水の系(組織平衡の進行度が高いと考えられる)ほどfacetingの効果が大きいこと、から、少なくとも下部地殻条件における石英-水系では流体の大部分は孤立して存在し、小さい二面角から推定される形状とは全くかけ離れたものになることを見出した。ほぼ同様の結果はダナイト-水系においても見出される。
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