研究課題/領域番号 |
12555009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
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研究分担者 |
大久保 優晴 日本分光, 第一技術部・応用技術課, 技術2係係長(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 位相コヒーレント光散乱法 / 光グレーティング / モード選択励起 / ゆらぎのダイナミクス / 液晶等方相 / 複素スペクトル / 比熱、熱拡散率の臨界挙動 / 波長可変CWレーザ / モード選択 / 熱拡散モードRayleighスペクトル |
研究概要 |
複雑流体における動的光散乱は、熱拡散、配向緩和、および音響フォノンの3モードが混在するため、従来の測定法では各モードからの光散乱スペクトルが重なってしまう。このような複数のモードの混在という現象は多くの複雑流体からの光散乱スペクトルに共通に見られ、熱励起ゆらぎを用いるという従来法の測定原理そのものに由来している。 我々が開発した位相コヒーレント光散乱法では、2本のレーザー光を用いて媒質中に光の干渉縞を作ることで、位相の揃ったコヒーレントな運動モードを強く励起できる。また、この方法では各モードを光で人工的に励起するため、自由にその強度を制御することができ、混在するモードの中からある特定のモードのスペクトルだけを選択的に分光できる。 これまでは、濃度拡散、回転拡散などの各モードに対する選択的励起法の確立、および測定手法のS/Nや分解能の改善に努めてきたが、本年度は、位相コヒーレント光散乱法の物性研究への応用として特に、液晶等方相におけるモード選択的分光を試みた。従来の光散乱測定法では、液晶等方相において熱拡散、配向緩和、音波の各モードからのスペクトルが重畳し、その分離は熱励起ゆらぎを分光する限り原理的に不可能であった。しかし、位相コヒーレント光散乱法では各モードを独立に励起可能なためモード選択的分光を実現できる。そこで、相転移点近傍での各モードのスペクトルの挙動を調べ、配向緩和モードと熱拡散モードにそれぞれ転移前駆現象を見出した。特に比熱の転移前駆現象については、世界で初めて光散乱による観測に成功した。
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