研究分担者 |
寺田 博之 航空宇宙技術研究所, 構造材料総合研究グループ, 企画調整室・室長(研究者)
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
服部 敏雄 株式会社日立製作所, 機械研究所, 主管研究員
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
本研究では,経年航空機の構造安全性評価体制を確立するため,経年航空機構造において検査されるべき重要な欠陥・損傷形態である,胴部ラップジョイントのマルチサイトクラック,および腐食減肉や複合材料構造の衝撃はく離損傷を,効率的にその場検出・計測できる新しい非破壊検査システムを開発した.特に新しい非破壊評価技術として,構造物に対しパルス状あるいは周期変動する熱負荷(熱波動)を与えた時の,構造物表面の温度分布(熱波動応答)を参照信号に同期させて高精度にロックイン計測し,熱波動応答の欠陥・損傷による変化をもとに欠陥・損傷を計測するロックイン赤外線サーモグラフィ法を開発した.マルチサイトクラックに対しては,出力が周期変動する高周波誘導電流場中のき裂先端特異発熱場周りの熱波動応答のロックインサーモグラフィ計測に基づく手法を,構造物に内在する腐食減肉およびはく離損傷に対しては,短時間のパルス状キセノン光あるいは周期的に点滅するキセノン光を構造物に照射した場合の構造物表面における熱波動応答のロックインサーモグラフィ計測に基づく手法を,それぞれ開発した.開発した計測手法をステンレス鋼板およびアルミ合金板に導入したき裂状欠陥検出に適用した結果,温度変動振幅分布画像および負荷電流信号からの位相遅れ分布画像に,き裂の存在による特異性が現れ,き裂を精度良く検出できることが明らかとなり,提案した手法の有用性が確認できた.キセノンパルス光照射時の温度変動の時系列データに基づく検査法を,複合材料の衝撃剥離損傷および腐食減肉欠陥の定量計測に適用した結果,欠陥および損傷の形状・深さの定量評価が可能であることがわかった.
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