研究分担者 |
石山 成志 住友金属工業株式会社, 総合技術研究所, 研究部長
石田 恭聡 マツダ株式会社, 技術研究所, 主任研究員
日野 隆太郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10283160)
岡田 達夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00233338)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本研究では,規則的に配列された多数の円孔をもつ多孔質板をコア層とし,薄板を表皮層とする3層構造の多孔質軽量板を考案し,その塑性変形挙動とプレス成形性を明らかにすることを目的としている. 本研究では,銅板を素材として多孔質積層板(3層板)を作製し,この多孔質積層板の基礎的塑性変形挙動(引張り強度,曲げ剛性)と張出し成形性(成形限界ひずみ)を実験的に調べ,この板の優れた特性を示した.さらに,変形やその限界を支配する力学的因子を弾塑性有限要素解析により明らかにした.得られた主な結果は次のとおりである. (1)単一板(孔なし),単一多孔質板(表皮なし)および多孔質積層板の単軸引張り試験結果より,これらの比強度を求めた.その結果,単一多孔質板(空孔体積率28%)の比強度は28%低下したが,多孔質積層板(空孔体積率17%)では5%低下にとどまった.多孔質積層板の曲げ剛性は同一重量の単一板の2.7倍になることを考える,これは軽量/高剛性の優れた機能を有すると結論できる. (2)多孔質積層板の張出し成形性は単一多孔質板のそれに近く,平面ひずみ付近での成形限界ひずみが比較的大きくなるが,等二軸変形や単軸引張り変形では単一板よりかなり限界ひずみが小さくなる.実験観察および有限要素解析結果より,多孔質積層板のスキン層に大きなひずみが集中し,それが成形限界を支配していることがわかった.
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