配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
環境問題を考慮した脱フロン次世代冷凍機用の圧縮機として,アコースティックコンプレッサーの実用化に向けて、前年度までに得られた音響管形状による管内有限振幅定在波現象の基礎的検討と,実機動作条件下における圧縮機内波動現象より運転条件変化に対する応答の解析、および同一条件下での実験的検証結果に基づき、アコースティックコンプレッサーの試作に向けての問題点の解析,試作及び各種共振管形状,供試気体に対する性能評価がなされた。 実用化への残されている問題として,ショックレス共振を実現する理論的根拠を明らかにするための解析では,従来の解析法に断面積変化の項を加えて改良し,管内共振点近傍の波動現象から,管の形状による周波数特性の変化を解析的に検討した。アコースティックコンプレッサーの試作では,用いられる各種共振管内波動現象について,さらにその詳細を数値解析により検討し,衝撃波の発生限界,閉端部変動圧力振幅,閉端での圧縮比(最大圧力/最小圧力)等を定量的に明らかにした。これらより,(1)実験で検証可能なピストン加速度範囲では管形状によらずほぼ断面積比6程度が衝撃波発生限界であること,(2)余弦関数状縮小管以外では共振点近傍の周波数特性にハードニングと呼ばれる現象が現れ,高ピストン加速度状態で周波数特性にヒステリシスが現れること,(3)圧力変動の平均値が管形状に依存し,得られる圧縮比が異なること,などを明らかにした。 新たに開発された高周波数応答吸入・吐出バルブを組み込んで試作されたアコースティックコンプレッサーの性能評価では,断面積縮小関数の特徴的傾向を有する3種類の形状の管内波動現象について,それぞれの共振特性が詳細に調べられた。それらの結果に基づき,圧縮機としての性能評価試験が行われた。具体的には,管形状による吐出流量,到達圧力,共振安定性などが調べられた結果,余弦関数状縮小管が音響圧縮機共振管として最も優れていることが明らかにされた。
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