研究分担者 |
下吹越 光秀 東陶機器株式会社, 基礎研究所・イドロテクト研究部, 研究主査(研究職)
渡部 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
吉田 敬介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60191582)
伊藤 猛宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20037740)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
本研究は,光触媒の超親水性を利用して,気液相変化系で優れた性能を有する伝熱面の開発を目的とする. 本研究課題は,次の項目についての検討を行った. (1)水平円柱周りの流下液膜式蒸発の伝熱試験 (2)プール沸騰伝熱試験により,超親水性による限界熱流束点(CHF),極小熱流束点(MHF)への影響 (3)プラズマ処理による親水化表面におけるの液滴の蒸発に及ぼす濡れ性の影響 (4)アルミ表面のプラズマ処理による改質と接触角の変化 その結果,いずれの検討項目においても表面を親水化させた方が優れた伝熱特性を示すことがわかった.液滴蒸発実験では蒸発時間を測定したところ,接触角が小さいほど蒸発時間が短く,超親水性の効果により伝熱が促進されることが判明した.また,濡れ限界温度を調べたところ,接触角が小さくなるほど濡れ限界温度は上昇し,最大20K以上の差がでることがわかった.(4)のプラズマ改質により作製したアルミ表面はフラクタルな構造を有しており,初期状態では拡張濡れを呈する.ところが時間の変化とともに接触角が上昇し150°以上の超撥水状態になることが分かった.この現象は極めて興味深いものの原因は不明で現在調査中である. そのほか,実用酸化チタン皮膜伝熱面の開発を念頭に,銅とステンレスパイプへの成膜を実施した.その結果,銅については酸化の影響が大きく,実用向きではない.一方,ステンレスへの成膜特性は良好であり,実用伝熱面の最有力候補であるとの感触が得られた.
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