研究分担者 |
服部 元史 神戸大学, 工学部, 助手 (00252792)
小黒 啓介 産業技術総合研究所, 技術情報部門・技術情報調査室, 室長(研究職)
高森 年 神戸大学, 工学部, 教授 (10031098)
徳田 献一 神戸大学, 経済学部, 助手 (60335411)
山崎 義治 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (90174648)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
布の繊細な手触りのような「質的情報」まで含めた触感を仮想現実としてディスプレイすることを目的とする.イオン導電性高分子ゲルアクチュエータを利用することによって,これまで問題であった高い柔軟性,高い運動自由度,微小な分布力の制御,皮膚刺激方向の制御を可能にした.それによって,触運動に応じて,布のような微妙な手触りを仮想呈示するシステムを開発した。 成果は次のようにまとめられる。 1.ICPFアクチュエータを用いた装着型刺激発生デバイスの開発 微小分布構造をもち,多自由度の刺激を発生する繊毛状の刺激発生デバイスを,ICPFアクチュエータを用いて開発した。また,刺激デバイスを小型軽量化し,手指に装着可能な刺激デバイスを開発し,手先位置を測定して触運動に応じた刺激を呈示するシステムを開発した. 2.複雑な触感を作り出す刺激発生手法の開発 1.のデバイスを低周波と高周波の合成波によって,複数の受容器を一度に刺激し,布のような複雑な触感を生成する手法を開発した。実素材との比較によって,布素材の微妙な触感の違いを呈示可能であることを示した。また,タオルやデニムのような触感を約半数の被験者に呈示できた。 3.触運動に応じた刺激法の開発 機械受容単位の応答特性を考慮し,触運動の速度,加速度に応じた触感を呈示する手法を提案し,触感評価実験により,自然な手触りを呈示できることを確認した. 4.ICPF内の物質移動に基づくモデリング デバイスの設計・制御のためにICPFアクチュエータの動作原理に基づくモデリングをおこなった。 5.視覚情報と統合したマルチモーダルな刺激の評価 視覚情報と統合したディスプレイにより,視覚が触感に与える影響を定量的に評価した。 以上のように,3年間の研究によって,本研究の目的である布の手触りを呈示する触感ディスプレイの基盤を作ることができた.
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