配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
本研究課題では,微細加工電極列を用いて水溶液中に高周波高電界を作り,ここでの誘電泳動を用いて,生体分子の分離・分析を行う(誘電泳動クロマトグラフィー)手法について,その手法および装置を開発するごとを目的として研究を行った。本研究は展開研究であり,特に,実際に役に立つ応用の明らかなシステムを構築することに留意し,医薬品メーカーの研究者と大学の研究者の共同チームを形成して研究を行った。 その結果,以下の成果を得た。 1)電極の加エプロセス・シリコン樹脂(PDMS)等を用いた流路作製プロセス・顕微鏡下での蛍光観察による分離・分析の定量的計測システムを確立した。 2)一定流量でサンプルを流しつつ行う系を用いて,a)ビオチンーアビジンの分子結合,b)DNAのハイブリダイゼーション,c)抗原-抗体反応,により形成される複合体(Bound)と未結合の試料(Free)とを分離する,すなわちB/F分離が,開発したデバイスを用いて行えることを示した。また,サンプルをパルス的にインジェクションするための,圧力駆動クロスフローインジェクターを開発・誘電泳動クロマトグラフィーと集積化して,a)DNAの分離を実験的に示し,この手法が特に数kb以上の大きいDNAに関して,従来のパルスフィールド電気泳動に代わる高速な分離分析手段となることを示し、b)誘電泳動クロマトグラフィーのタンパク分離への適用性を示した。 3)平面性のよい基板にエッチングによりエッジの鋭い微小開口を作り,ここに透析膜材料を塗布して表面張力を利用して薄膜を形成する手法を開発し,これにより誘電泳動クロマトグラフィーに必要な透析が行えることを実証した。
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