研究概要 |
放電ランプの発光色を可変として一層利用範囲を広げるために、内部電極と外部電極を併用し、それらの混合によって発光色を制御する方法の内、本課題では双方の放電を時分割する方法を試みた。応用例としては平板型放電管を試作した。報告書ではこの方法の原理と実験結果を述べている。 1.放電管 (1)電極 放電特性の安定性を優先させ、平板放電管を含む全ての放電管に冷陰極を用いた。 (2)蛍光体 赤・青・緑3色の蛍光体を2つずつ即ち、赤+青,青+緑,緑+赤を混合塗布した3種類の放電管を試作し、赤⇔青,青⇔緑,緑⇔赤の発光色制御について測定した。 (3)封入ガス 封入ガスはXe+Hgとし、Xe封入圧を1.33kPa〜5.3kpaの放電管について測定した。 2.点灯回路の設計・製作 軸方向放電と管壁放電を時分割で点灯するのであるが、双方の放電共に回路方式としてはフルブリッジ回路を基本とし、それぞれの混合比を10:0から0:10まで可変とし、点灯周波数は1kHz〜50kHzの範囲で可変とした。 3.点灯結果 前年度の別途予算にて購入した「時間分解マルチ測光システム」をフルに活用することにより、アフターグロー等、種々のスペクトルの時間変化を詳細に測定した。また、初年度に設備備品費で購入したディジタルオシロスコープも最大限に活用し、管入力,管電圧,電流等を測定した。また、以上の結果、赤⇔青,青⇔緑,緑⇔赤それぞれの発光色制御において十分に発光色を可変とすることが可能となり、輝度も1,000[nt]以上とほぼ実用化レベルに到達できた。
|