研究課題/領域番号 |
12555088
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中嶋 堅志郎 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80024305)
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研究分担者 |
菱田 有二 (株)イオン工学研究所, 室長
安部 功二 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30314074)
江龍 修 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10223679)
HISHIDA Y Ion Engineering Research Institute Corporation, Researching Manager
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | エルビウム / 酸素 / イオン共注入 / 固相エピタキシャル成長 / 蛍光寿命 / フォトルミネセンス / SIMS / MBE / 広がり抵抗 / ESRセンター |
研究概要 |
1.平成12年度の研究成果 (a)Er発光中心の選択形成と構造 [Er]=[O]=1x10^<19>cm^<-3>イオン注入した試料で、注入により形成されたアモルファス層が固相エピタキシャル(SPE)成長する過程で、Erは基板および表面結晶層-アモルファスの両界面から偏析を始め、平均飛程より表面側に偏析ピークを形成する。OはSPEの初期段階からErの移動に誘発されて移動し、SPE終了後はErとほぼ同じ分布を形成する。立方対称構造を持つEr-O発光中心はSPE初期段階で形成される。(111)SiにおけるEr中心の発光強度は(100)Siに比べて2〜3倍強い。以上により、Erはアニールの初期段階でOと強い相互作用を持ち、立方対称格子間立置で安定な発光中心を形成する。 2.平成13年度の研究成果 (a)蛍光寿命測定によるEr発光中心の励起過程 立方対称性を持つEr発光中心の主ピーク波長(1.537μm)において、波長分解能を1.4nmとし、バックグラウンドの影響を極力排除して4.2K〜100Kの寿命測定を行った(YAG2倍高調波532nmによる励起)。バックグラウンドの早い減衰(時定数1.5ns)の影響を除去すると、Er中心へ電子・正孔対のエネルギー移行過程の時定数はτ_T=〜1nsであることを実験的に明らかにした。この過程はこれまでに寿命測定から推測されていた時定数とほぼ一致している。4.2K〜100Kにおいてτ_Tは凡そ一定であるが、今後詳細な測定を行う必要がある。 (b)エキシマ・レーザー、イオン注入を併用した低照射損傷条件でのEr発光中心形成 O/Er=1,Er=1x10^<19>cm^<-3>を共注入しアモルファス化したSiをレーザーアニール(KrF、0.4〜0.6J/cm^2、10〜100パルス)によりErを偏析させずにドープすることが可能であるが(SIMS分析より)、Er中心の発光は得られなかった。発光中心を光学的に活性化するには900℃、1〜5分間のアニールが必要である。レーザーアニールのみではEr-O相互作用が完了していないことが原因と考えられる。 (c)MBE成長によるp-Si/Er-doped n-Si/n-Si構造作製とEL発光 Erドープドープしたn-Si上にMBEによるp-Si単結晶薄膜成長により、標記構造を作製した(CAICISSにより確認)。立ち上がり電圧0.4VのI-V整流特性を得たが、pn接合構造の最適化が不十分であり、ELを得るに至らなかった。しかし、本年度の研究によりErドープELデバイス作成に必要な基板技術を確立できたので、引き続きデバイス化を進める。
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