配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
本研究では,基地局設備を利用しないで,近距離にある端末同志がそれぞれ中継機能を持ち,マルチホップ接続により直接通信を行う自律分散型アドホック無線ネットワークを対象として,その設計に不可欠な無線伝送技術やルーティングプロトコルの研究などが効率的に実施できる研究評価シミュレーションシステムを構築するとともに,それらを利用した研究を実施した. 本研究によって得られた代表的な研究成果は以下の通りである.なお,最後の4番目の研究は構築したシミュレーション系の評価を目標とした基礎的な試作研究である. 1.全無線マルチホップネットワークにおける周波数利用効率ならびに消費電力について基礎検討を行った.その結果,推奨ホップ距離が存在すること,消費電力についてもセルラー方式と同等であること等を明らかにした。また,移動端末の分布が不均一な場合についても,適応的にホップ距離を変えて周波数を有効利用可能な方式を提案し,その有効性を確認した. 2.アドホックネットワーク用階層型ルーティングプロトコルについて,これまでに提案されていたCBRP (Cluster Based Routing Protocol)を改良した.各移動端末の位置速度情報を利用することにより,より切断されにくいルートを構築することが可能となった. 3.市内程度の規模の全無線マルチホップ自律分散ネットワークを仮定して,宛先端末発見手法を提案し,その特性を評価した.本手法では,簡易な固定局を利用し,各固定局で移動端末の位置情報を自律分散的に管理する. 4.IEEE 802.11b無線LANカードを用いて複数台のノートパソコンから構成されるマルチホップネットワークを試作し,その特性評価を行った.特に送信電力を低減して意図的にマルチホップ機能を導入することにより,空間的な周波数の再利用が可能となり,全体のスループット向上が可能なことが確認できた.
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