配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
本研究は,地表地震断層発生のメカニズムをモデル実験によって解明し,そのメカニズムに基づく断層挙動のシミュレーション手法を開発することを目的とする.CTスキャナや光弾性を用いた実験によって,断層のモデルである亀裂が進展する様子を観察する新しい実験方法を考案・開発した.特に光弾性実験は,実験装置・手法・データ解析を全て新規に行った.モデル実験によって,地表地盤の不均一性とともに分岐現象が断層発生の支配メカニズムであることを明らかにした.これに基づき非線形スペクトル確率有限要素法という新しい数値解析手法を開発した.これは,地盤の複雑さを確率的に表現し,分岐現象に対応する分岐解を数値計算の上で効率的に見つける手法である. シミュレーション手法を地盤材料用にチューンアップした後,その基本的な妥当性を検証するため他の研究者によって行われた複数の断層モデル実験の再現を試みた.二次元問題である正・逆断層のモデル実験,三次元問題である横ずれ断層のモデル実験に対し,若干のずれがあるものの,断層の形状や断層発生に至る過程のパラメータを定量的に再現することに成功した.パラメータの期待値や分散,確率密度関数が計算されることは特筆に値する.この検証を踏まえ,実際の地表地震断層二例の再現を試みた.斜め横ずれの野島断層と逆断層のシャーロンポー断層を対象とし,断層の形状を実測データと比較し,シミュレーションの有効性を検証した.有用性として,断層発生を引き起こす基盤変位を確率的に計算できることを実証した.計算された基盤変位は地質学・地震学的知見及び間接的な実測データからみて妥当と思われる.
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