研究分担者 |
森杉 壽芳 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80026161)
小池 淳司 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60262747)
宮城 俊彦 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (20092968)
武藤 慎一 岐阜大学, 工学部, 助手 (90313907)
大野 栄治 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (50175246)
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研究概要 |
都市圏レベルでの社会資本整備関連施策を定量的に評価するための実用的ツールへのニーズは非常に大きい.本研究はそのニーズに応えるため,個別に開発されてきた定量的評価手法を体系的に組み合わせ,それを実用的ツールとして発展させることを目的として,12年度と13年度の2ヶ年にわたって取り組んだ. 12年度は以下の2点について重点的に取り組んだ.第一は,本研究で開発するシステムに登載する各種都市モデルの基本構造を整理して,相互の関連性と各モデルが対象とする都市政策について体系化を行った.第二は,各分担者および協力者が個別に整備してきたデータの共同利用するためのシステムと新たに整備すべきデータの調査・作成方法について検討した. 各種モデルと政策の体系化は,モデルを立地均衡モテルと交通均衡モテルを主軸とし,それらの連動システムを基本とした.上位に都市圏応用一般均衡モデルを作成し,下位にはヘドニックモデル,仮想市場法モデル,知識工学的行動モデルおよび交通シミュレーションモデルを作成した.都市幹線交通整備等は均衡モデルのレベルでの手法で,また,局所的な影響は他のモデルで評価を試みた.データ整備については,購入した地理情報システムの基本骨格に各分担者が蓄積しているデータを格納する手順とデータ形式について検討した.格納できるデータセットから順次格納を進め,来年度前半までに主要部を完了する予定とした.新たに整備するデータとして,岐阜都市圏の産業連関表を作成するものとした. 13年度は産業連関表を完成させ,それに基づく応用一般均衡モデルを開発して適用を試みた.また,均衡モデルによる評価を多様な政策評価に適用するととも,それ以下のレベルついては,交通シミュレーションやヘドニック法を岐阜都市圏内の実際の施策に適用して,手法の有効性を確認した.12年度から整備を進めているデータベースについては,共有化を進めながら,同時に記述的な統計解析よって都市圏の特徴を抽出する作業も進め,今後の手法やシステムの開発に向けての基礎的資料として活用できる方向を目指している.
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