研究課題/領域番号 |
12555178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町田 憲一 大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (00157223)
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研究分担者 |
佐々木 信夫 (株)玉川製作所技術開発課, 課長(研究職)
伊東 正浩 大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 助手 (90343243)
足立 吟也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029080)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2001年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 高性能永久磁石 / 希土類磁石 / ボンド磁石 / 交換結合型複合磁石 / 温間磁場中プレス / 表面被覆 / 最大エネルギー積 / 高耐候性磁石 / 金属間化合物 / 侵入型金属窒化物 |
研究概要 |
希土類永久磁石であるSm_2Fe_<17>N_xならびにHDDR法で作製したNd_2Fe_<14>Bは、優れた異方性磁気特性を有するため、高性能な永久磁石となり、OA、オーディオ機器等の高性能化、小型化に貢献するものと期待されている。さらに、これらは、ボンド磁石として高性能化できるため、成形加工性や寸法精度に優れた機能部品としても注目されている。 以上の背景から本研究では、我々がこれまでに開発してきた表面被覆法、すなわち亜鉛金属蒸気収着法および有機ケイ素化合物(ヒドリドシラン)を用いた自己組織単分子膜被覆法を上記の粉末に適用し、まず高耐候性磁石粉末を調製した。その結果、亜鉛金属蒸気を収着したNd_2Fe_<14>B粉末では(BN)max=160〜170kJ/m^3の性能を有するボンド磁石を試作することに成功すると共に、Sm_2Fe_<17>N_xでは180kJ/m^3の値が観測された。これは、前者の場合、Nd_2Fe_<14>B HDDR粉末の内部に存在する微細なクラックの内表面まで亜鉛金属の蒸気が侵入し、磁石化合物自身と反応し、安定な金属間化合物層を表面層と共に存在するためと考えられる。他方、後者のSm_2Fe_<17>N_xの場合は、粉末表面に存在する-OH基とヒドリドシランの-SH基との間で脱水素反応が進行し、表面に有機ケイ素が導入され、この撥水効果により磁石粉末の耐候性が向上することになる。 また、これらを用いてNd_2Fe_<14>BおよびSm_2Fe_<17>N_x粉末を混合しボンド磁石としたところ、〜200kJ/m^3の性能を有する交換結合複合型異方性磁石の開発に成功した。これは、粒子径の大きなNd_2Fe_<14>Bと粒子径の小さなSm_2Fe_<17>N_x粉末粒子間での擬支援相互作用によるもので、両者の粉末を単純に混合した場合の減磁曲線とは大いに異なっていたことからも支持される。なお、粒子同士の充填率の向上も大きな要因であり、実際にボンド磁石の密度は複合化により増大していた。
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