研究課題/領域番号 |
12555189
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 節雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90150490)
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研究分担者 |
阿部 義男 新日本製鉄(株), 技術開発本部, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | 超微細粒 / 粉末冶金 / 酸化物分散鋼 / メカニカルミリング法 / 超微細粒組織 / メカニカルミリング / 微細粒 / 鉄 |
研究概要 |
メカニカルミリング法を利用して結晶粒を超微細すると同時に、得られた微細粒組織を高温まで安定に維持するためにイットリアを添加した粉末を作製し、これを熱間押出法によって固化成形することで、これまでにない大型の超微細粒鋼の創製に成功した。一般に押出法による粉末の固化成形では短軸方向と長軸方向の組織の不均一性が問題となるが、イットリアの粒界ピン止め効果によって固化成形温度である750℃においても結晶粒がサブミクロンサイズに保たれるため、粉末自体の超塑性変形が起こり均一な組織が得られることが明らかとなった。 得られたバルク材の強度は、1.5GPaという非常に高い値を示しており、これは結晶粒微細化強化のみで達成されている。ただし、延性および靭性に関しては強度とトレードオフの関係にあり、塑性安定条件の観点から、均一伸びがほとんど得られず、降伏直後に絞り変形が生じるようになる。その結果、最大衝撃値はそれほど高いものではないが、延性脆性遷移温度は液体窒素温度以下にまで低下することがわかった。 一方、このような超微細粒組織を有する鋼では、前述したように微細粒組織に起因した超塑性変形が起こるために、室温では非常に高い強度を有していても、700℃程度にまで加熱すると一般の工業用純鉄と同程度にまで強度が低下する。また、加工後室温まで冷却すると、元の高い強度になるという特長を有する。このような可逆性は他の強化機構によって高強度化した材料には見られない現象であり、高強度材を容易に加工することができるという点においても、今後工業ベースヘの応用を考える上で大きな利点となり得る。
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