研究課題/領域番号 |
12555206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅津 良昭 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10005423)
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研究分担者 |
亀田 知人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60333895)
岡部 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00280884)
佐藤 譲 (伊藤 譲 / 佐藤 讓) 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80108464)
廣田 晃一 信越化学工業(株), 磁性材料研究所, 研究員
宇田 哲也 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80312651)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 希土類金属 / リサイクル / Nd-Fe-B磁石合金スクラップ / 溶融金属 / 抽出・分離 / ネオジム / 銀 / マグネシウム / 熱力学 / 希土類元素 / オキシハライド / レアアース / 塩化物 |
研究概要 |
本研究の目的は、新しいタイプの希土類金属リサイクル・プロセスの開発に資す基礎データを得る手法を探索することである。本研究では、抽出媒体金属として溶融銀及び溶融マグネシウムを用いて、Nd-Fe-B磁石合金スクラップからネオジム(Nd)を直接抽出・分離する方法を試みた。なお、研究課題名に記されている方法と本実験のスタイルは異なっているが、研究の本質は変化していない。 抽出媒体として溶融銀を用いた、Nd-Fe-B磁石スクラップからのNdの抽出実験を行った。抽出実験の前に、Ndの理論抽出限界を推定するために、Ag-Fe-Nd系の状態図を実験により作成した。この状態図より、1363Kにおける理論抽出限界は、Ag-Nd合金中のNd濃度にして50-52mol%(57-59mass%)であることが示された。この結果は、熱力学的データの文献値を用いた平衡論に基づく計算の結果とよく一致した。溶融銀によるスクラップからのNdの抽出実験では、1273Kで抽出率が90%以上に達し、また、1273〜1573KでNd濃度が45-50mass%のAg-Nd合金が得られた。さらに、Ndの抽出によって得られたAg-Nd合金を大気下で溶融、攪拌し、Ndを酸化物としてAgと分離、回収することを試みた。その結果、溶融後2hでAg中のNd濃度は0.006-0.065mass%まで低下し、Ndは酸化物として分離できることがわかった。 また、溶融マグネシウムを用いてNd合金スクラップからNdを抽出し、得られたMg-Nd合金から、Mgの高い蒸気圧を利用してMgを蒸発・分離し、Mgを反応容器内で循環させながら連続的にNdを抽出する新しいプロセスの抽出実験を行った。真空下のMg蒸発除去実験において気Mg-Nd合金中のMg濃度が最終的には0.05mass%以下になり、純度97.7%のNdが得られた。 以上、本研究により、溶融金属を抽出媒体として、磁石合金スクラップ中のネオジムを抽出する新しいプロセスの構築が原理的に可能であることが示された。
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