研究課題/領域番号 |
12555215
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平井 隆之 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)
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研究分担者 |
日野 彰 大八化学工業(株), 製造技術部主任(研究職)
野田 秀夫 関西化学機械製作(株), 取締役社長(研究職)
白石 康浩 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助手 (70343259)
佐藤 博 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60283743)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 石油 / 燃料油 / 脱硫 / 脱窒素 / 脱メタル / 光化学反応 / 化学変換 / アップグレーディング / 液液抽出法 |
研究概要 |
燃料油中の不純物である硫黄分・窒素分およびメタル分は、燃焼により大気汚染物質の発生や燃焼機関の腐食などをもたらすため、精製段階で充分に除去しアップグレーディングすることが要求される。本研究では、従来の水素化脱硫法とは全く異なる発想に基づく、光化学反応を中心とする化学変換反応に基づく新規な脱硫・脱窒素・脱メタルプロセスの開発を行った。 1.燃料油の脱硫・脱窒素プロセスの開発 軽油・接触分解軽油・減圧軽油などの重質油を対象として、光化学反応による脱硫・脱窒素について検討した。燃料油/水および燃料油/アセトニトリルからなる二相系に、紫外光照射または可視光照射することによって硫黄および窒素化合物が酸化され、燃料油相から除去できることを示した。特に、従来の水素化脱硫法では反応性が極端に低く除去が困難であったアルキル置換DBTの光反応性は、無置換のDBTの光反応性よりもむしろ高く、深度脱硫を達成できることを明らかにした。 2.残油の脱メタルプロセスの開発 残油中のメタル化合物であるバナジウムおよびニッケルのポルフィリン化合物を、2-プロパノールの存在下で紫外光照射により分解した。光反応後、2-プロパノールを留去し、塩酸溶液と接触させることでメタル分のほぼ全量が塩酸溶液に抽出除去された。このプロセスは常圧残油のみならず減圧残油にも適用でき、また回収した金属はレアメタル資源としての利用が可能である。 3.スルホニウム塩反応を利用する脱硫・脱窒素プロセス 燃料油中へのアルキル化剤の添加によって、硫黄化合物のスルホニウム塩を形成し、沈澱として除去するプロセスを開発した。軽油の脱硫においては、適切なアルキル化剤の添加により硫黄分0.005wt%まで超深度脱硫が可能であること、また同時に多くの窒素化合物の除去が可能であることを明らかにした。 4.スルフィミド形成反応を利用する脱硫プロセス 燃料油中の硫黄化合物の高い求核性を利用し、クロラミンTを用いてイミノ化し、スルフィミド化合物として燃料油中から除去する、新規な脱硫プロセスを開発した。 5.化学的酸化反応と液液抽出による脱硫プロセス 過酸化水素および酢酸を酸化剤として燃料油中の硫黄化合物および窒素化合物を酸化し、さらにアセトニトリルで抽出分離する深度脱硫・脱窒素プロセスを開発した。
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